鎌倉に「冒険遊び場」が誕生 自然の中で伸び伸び楽しめる!

北爪三記 (2019年11月27日付 東京新聞朝刊)
 豊かな自然の中で、子どもたちに伸び伸びと自由に遊んでほしい-。そんな母親らの願いが実った拠点が、神奈川県鎌倉市内に誕生した。「かまくら冒険遊び場・梶原」。子ども会館だった建物と、その脇に広がるこんもりした斜面地に、さっそく元気な声が響いている。
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火をおこす体験をする子どもたち=いずれも鎌倉市で

木工や火おこし 夢中で遊ぼう

 トン、トン、トン、トン。今月16日、金づちを手にした小学生らが青空の下で木工に熱中していた。「(木材を)押さえる手に軍手をした方がいいよ」。スタッフがさりげなく助言する。別の場所で中学生が火をおこすと、たちまち集まる子どもたち。ひとしきり火おこしなどに夢中になった後、日差しが降り注ぐ斜面地を駆け上がって行った。

 「冒険遊び場の常設化は念願でした」。運営するNPO法人「かまくら冒険遊び場やまもり」の阪口泉さんが、子どもたちを見上げながら笑顔で話す。

 冒険遊び場事業は2004年度から、市と市民団体「かまくら子育て支援グループ懇談会」が共催し、公園や緑地で月1~2回続けてきた。毎回平均100人の親子らが参加。ただ、1日限りだと、工作などの遊びは続きができないのがネックだった。

旧梶原子ども会館を活用した「かまくら冒険遊び場・梶原」

子どもたちのアイデアも形にしたい

 常設化のため鎌倉市は、3月に閉館した梶原子ども会館の床板を張り替えたり、市有地である斜面地の利用部分(734平方メートル)の除草をしたり、51万円をかけて整備。懇談会の有志ら12人がNPOを立ち上げ、協働事業として今月15日にスタートした。

 スタッフの一人、坪井玲子さん(48)は「『外で遊ぼう』というのが第一。落ち葉や木の実を拾ったり、たき火をしたり、季節によって遊びも違う。自然の中で遊んだ体験が、子どもたちの生きる力につながれば」と期待する。

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自然豊かな斜面地で遊ぶ子どもたち

 阪口さんは「子どもたちの居場所であり、地域の皆さんとの多世代交流の場にもなれば。子どもたちから出てきたアイデアを一緒に形にしていきたい」と意気込む。

 開館は火、水、金、土曜の午前10時~午後5時。11月30日午前10時~午後2時はオープニングイベント「みんなであそぼ!つくろ!たべよ!」があり、誰でも参加できる。12月14日には鎌倉広町緑地で出張イベント「稲わらでお正月飾りづくり」もある。問い合わせは、かまくら冒険遊び場・梶原=電話0467(47)1433=へ。

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