「家族会議」で子どもの気持ちが見えてくる 10分でもOK、親が聞きたいテーマから”ずらす”のがポイント
小学生の長男が「別に」「忘れた」ばかりで…
「家族会議を始めたのは、小学生になった長男に学校のことを聞いても『別に』『普通』『忘れた』しか返ってこなくなったのがきっかけ」
そう振り返るのは、小学6年の長男と小学4年の長女を育てるフリーのライター・編集者の玉居子(たまいこ)泰子さん(42)=東京都八王子市。5年前から週末の夜などに家族会議を開いている。「本音を聞きたい。家族でもっと話したい」との思いが原点だった。
当時、会員制交流サイト(SNS)で話題になっていた家族会議を参考に、その週のうれしかったことや嫌だったこと、来週したいこと、家族の誰かにしてほしいことなどのテーマを設定。親子4人でリビングに集まり、それぞれ紙に書き出してから報告し合う形で始めた。
半年続けたら、発言が徐々に増えていって
ルールは「何を言ってもいいが、何か言う」「人の話は最後まで聞く」だけ。最初は親が話す割合が高かったが、半年ほど続けると長男の発言が徐々に増えていった。「落ち着いて大人が耳を傾けるようにしただけで、子どもが変わった」
その後は、長男が野球チームの練習を休みたくなったとき、長女が学校に行きたくないとき、親がイライラしているときなど、その時々でテーマを決めて話し合ってきた。家族で悩みや不安を共有できるようになり、日常の中での親子の会話も多くなった。
テーマを話しやすく「ずらす」とうまくいく
会議というと硬いイメージだが、「ざっくばらんに話し、子どもの声を拾う時間と考えるくらいでいい」と玉居子さん。テーマが深刻だと、うまくいかない。楽しく話せるテーマに変えるのがポイントだ。「親が聞きたいこと・話したいことの周辺で、子どもが話しやすく、気持ちを引き出せるテーマにするのがコツ」
例えば、子どもが学校に行きたくない場合、「なぜ行きたくないのか」と正面から取り上げずに、「どういう学校なら楽しいか」とテーマを「ずらす」と話しやすいという。「その子の問題に光を当てるのではなく、その子が何を考え、感じているかにフォーカスして」
発言を書き出すと「尊重されている」実感
会議は土曜の夕食後などリラックスできる時間帯に開き、「おいしいお菓子を用意するのもいい」。短時間でもよく、就学前の子がいるときは10分程度でもOK。玉居子さんは会話の内容をホワイトボードや紙に書き出すことを勧める。「子どもが家族の一員として、自分の発言が尊重されていると実感できる」
親が徹底したいのは、
- 怒らない
- 子どもの意見を代弁しない
- 子どもが飽きれば終わり
- 1回で解決を求めない
―こと。「変なことを言っても受け止めてもらえる」「怒られずに最後まで聞いてもらえる」と子どもが思えるように、大人は子の発言を楽しむ気持ちで臨みたい。
目指すのは、子どもが家庭で安心して気持ちを出せるようになること。「『相手はこう思ってるんじゃないか』と推測しても外れることもある。話すことで風通しが良くなるし、家族を自分とは別人格の人として尊重できるようになる」と玉居子さん。著書「子どもから話したくなる『かぞくかいぎ』の秘密」(白夜書房)では、思春期の子や単身赴任中の父親がいる家庭、ステップファミリー(子連れ再婚家庭)などの家族会議を紹介している。
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これは習慣付くと子どもとの今後の関係性にもプラスになりそうですね。
我が家も早速意識してみたいと思いました。
長男の、「忘れた」「別に」はまさしくって感じです笑
「家族会議」の記事、たいへん興味深く拝読しました。学齢期くらいの子どもがいる家庭によい感じですが、高齢の親の手術等医療介入の是非をめぐって大人の家族同士でやるのもよいのではないか?と思いました。「人生会議」より「家族会議」という感じです。