〈えほん〉「どんぐりとやまねこ」原作・宮沢賢治 絵と構成・武田美穂
長壁綾子 (2023年10月4日付 東京新聞朝刊)
「あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい」。いちろうの元にやまねこからおかしなはがきが届いた。
翌日、いちろうが山道を登っていくと、「やまねこさまは、ここに戻っておいでになる」と馬車係。風が吹いて、草が一面に波立つと、やまねこが現れた。裁判では、草地に集まったたくさんのどんぐりが「この中で一番えらいのは、私だ」と言い争う。困ったやまねこは、いちろうに相談して…。
宮沢賢治の童話を小学校低学年向けに、絵本版で構成。どんぐりたちが愛らしい、この季節にぴったりなお話。
1650円。理論社=電話03(6264)8891。
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