カップルの育児協力「コペアレンティング」の国際調査に協力を 東洋大の藪長教授が呼び掛け

天田優里 (2020年7月27日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 東京都文京区にキャンパスがある東洋大学の国際学部国際地域学科で、2013年から学生に福祉政策論を教えている藪長千乃さん。自身は北欧フィンランドの地域福祉や福祉国家、女性の社会進出などをテーマに研究を続けている。カップルがお互いに協力して育児に取り組む「コペアレンティング」の国際比較調査を手掛けており、協力者を募っている。

東洋大の藪長千乃さん=文京区で

大学で「女子なのにカツ丼食べるの?」に違和感

 都内の大学で過ごした学生時代、男女平等について考える機会が多かった。新入生のとき、男子学生から「女子なのにカツ丼を食べるの?」と聞かれたことや、女性の人数に制限を設けるサークルなどに、違和感を感じていた。「幼いころからチャンスは男女平等にあるものだと思って育ってきたが、大学に入って初めて社会のおかしさに気付いた」と、大学では共働きの起源や女性の社会参加の歴史などを明らかにしようと研究を重ねた。

 卒業後は、東京都の職員として系列の病院や都庁などで働いた。研修の一環で、北欧スウェーデンの女性の社会参加を学ぶ機会があり、「自分の理想とする社会は北欧にあるんだ」と知った。北欧文化や社会について学ぶ意欲が募り、1997年、都内の夜間大学院の「北欧研究」という授業を聴講生として受講。翌年、正式に社会科学系の夜間大学院に入学し、仕事と学業を両立することにした。さらに博士課程に進学。10年勤めた都を退職し、2003年から文京学院大の講師に。以降、研究者としての道を歩んでいる。

子どもや家庭を持つことにもっと夢を持てる社会に

 目下の研究テーマは、「コペアレンティングの国際調査」。コペアレンティングは、カップルが子育ての中でお互いに協力して育児に取り組むことを指す。研究では、初めての出産を迎えるカップルが子育てや夫婦関係についてそれぞれどのように考え、感じているかについて調べる。フィンランド、ポルトガル、オーストラリアの研究者と合同で行い、出産前後にカップルそれぞれにインタビューする。結果を比較し、国による考え方の違いや共通点を特定する。

 しかし新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、調査は止まってしまった。インタビューの対象となる30~50組のカップルも確保できておらず、協力者を募集している。研究の意義について「若い人が子どもや家庭を持つことにもっと夢を持てるような社会につなげたい。国の政策に役立てられれば、少子化の克服にもつながると思う」と話し、協力を求めている。

11月までに第1子出産予定のカップルを募集

 コペアレンティングの国際調査の対象者として、今年11月までに第1子出産予定のカップルを募集している。首都圏近郊で出産前後の計2回、インタビューに対応できることが条件。インタビューは出産前1~3カ月、出産後1年5~7カ月の時点で実施予定。協力者には謝礼などを贈る。問い合わせはメール(copagloba@toyo.jp)で。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月27日

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