映画「発達障害ばかったれ」銚子で上映会 地元演劇塾の小中学生が出演 本人や家族の苦悩を知ってほしい
堀場達 (2023年2月21日付 東京新聞朝刊)
銚子市で、小中学生が演技を教わっている「銚子キッズ映画演劇塾」の8期生が出演する、発達障害をテーマに制作された映画「発達障害ばかったれ」が26日、同市三崎町2のイオンシネマ銚子で上映される。塾の代表で脚本を手掛けた監督の根本保夫さん(64)は「『発達障害の理解の一助に』との思いを込めた。多くの人に見てほしい」と話す。
自閉スペクトラム症の小4男児が主人公
主人公は自閉スペクトラム症の小学4年の男児。周囲とうまくコミュニケーションが取れず、級友にいじめられるなど、母親とともに悪戦苦闘を重ねた末、やがて生きる希望を見いだしていく筋立てだ。2019年10月~20年3月に塾で学び、銚子市や茨城県神栖市に住む、現在小学4年~中学1年の子どもたち6人がキャストに名を連ねる。
根本さんは東京を拠点に映画作りに携わり、銚子に帰郷後の12年、塾を設立。在籍期間ごとの塾生が成果を見せる映画、演劇作品を発表してきた。
2020年春完成 東京で上映され評判に
「発達障害ばかったれ」は2020年春に完成し、2021年5月に銚子市民センターホールで初上映。同年12月には東京都杉並区で上映されて評判となり、コロナ禍で延期されていた地元映画館でようやく披露の運びとなった。
塾生が関わった映画のこれまでのテーマは、戦争や認知症など。根本さんは「今回のテーマは特に思い入れがある」と明かす。2002年に自身が映画監督デビューを飾った作品での出会いがきっかけ。「出演女優が、発達障害の子を持つ母親だった。悩みなどを聞くうち、いつか自作で世に問いたいと、勉強や取材を続けてきた」
発達障害への社会認識は高まったが…
映画には、根本さんが聞き取りや取材で知った障害者本人やその親たちの苦悩、親族を含めた周囲の理解不足、学校の不十分な対応などの実態を盛り込んだ。
根本さんは言葉に力を込める。「2002年当時と比べれば、発達障害に対する社会認識は高まった。ただ、当事者たちが希望を持って生きていくのを支えるため、さらに理解を深めたい」。
上映時間は45分。午後2時開場。定員76人で先着順。料金は500円で小中高生、65歳以上、障害者は無料。問い合わせは根本さん=電話090(3577)4753=へ。
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