夏休みの学童保育 職員の「朝の開所準備」は業務と認められず 早めに出勤、善意任せが常態化
換気や消毒、児童の休みチェックも
情報を寄せた職員の出勤時間は午前8時と決められているが、「夏休み中は20分前には来る」。うだるような猛暑が続くこの時期、熱のこもった部屋に到着すると、窓を開けて換気し、空調をオン。汚れなどに気付けば清掃や消毒。鍵付きの書庫から出席簿を取り出し、保護者からの留守電を聞いて休みの児童を記入する。朝から汗だくだ。
「8時になると一気に子どもが来て、対応に追われるので、準備作業は子どもが来る前にしておく必要がある」と強調する。
この職員の契約上の勤務時間は週29・75時間。朝のサービス残業を週4日勤務で計算した場合、合わせて1.20時間ほど。勤務時間全体に占める割合はけっして小さくない。
大事な仕事 きちんと賃金支払うべき
江戸川区は、朝のサービス残業をどう考えているのか。区教育推進課の担当者は「前日の閉所後に物品の配置や名札の準備などを済ませており、朝は仕事がないのが原則。若干早めに着くのは一般的」と説明する。
30年以上学童保育の現場に携わってきた全国学童保育連絡協議会事務局次長の千葉智生さん(64)によると、開所前の準備に限らず、子どもの情報を職員間で共有したり、保護者の声に対応したりと負担は大きい。「これらは時間外労働の形で現場の善意に支えられている。大事な仕事なのだから、きちんと賃金を払うべきだ」と訴える。
江戸川区の対応については「学童保育は、心身共に発達し、人との関わりの上でも大切な経験を重ねる時期の子どもたちの命を預かり、成長を支える場。それが軽んじられていないか」と疑問を呈す。
都内11区で「サービス残業」状態
千代田区、港区など6区は勤務時間
練馬区の石神井児童館の1階にある「石神井児童館学童クラブ」では夏休み初日の21日、開所30分前の午前8時半に出勤した早出の職員が準備に追われていた。
室内を冷やしながら麦茶を沸かす。朝の学習時間に備えて机を並べ、棚も含めて拭き清める。「前日の夜に掃除しても、一晩でほこりが落ちるんです」
登録する児童34人の出欠管理は、出席簿と、壁かけのホワイトボードを見比べながら声に出して念入りに確認。合間に保護者から欠席連絡の電話も受ける。30分はあっという間に過ぎた。
石神井児童館の池主力(ちぬしつとむ)館長(45)は「夏休みは子どもたちの生活サイクルががらっと変わる。1日を同じ集団で過ごすからこそ生まれるトラブルもあり、職員は気が抜けない」と開所前準備の大切さを説く。
学童保育
共働きやひとり親家庭などの小学生を放課後や夏休みに学校内や児童館などで預かる制度。2023年5月1日時点の速報値で約144万5000人の児童が利用する。東京都江戸川区は区独自の事業として実施し、7月1日現在で6317人が登録する。
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「一部の構成員のファインプレーで保っている組織は危うい」これは文科省の中央研修、危機管理講座の講師の言葉です。
学童保育の開所準備が職員の好意(無給)に委ねられている状況は、まさに職員のファインプレーによって組織が維持されていることに他なりません。
無給ということは勤務ではないので、学童保育中の事故が開所前の安全点検の不備に起因するものであっても責任は問えないことになります。(個々の職員に責任を負わすかどうかは別の話ですが)
学童保育は子どもの命を預かっているわけですから、安全点検をはじめとする開所前の準備は業務として捉え、設置者である行政は、その分の給与を支給すべきです。
川崎市のプール給水のミスも、教員の好意に頼ったり、特定の教員に負担が偏ったりしたことが原因ではないかと思われます。業務の内容を明確化し手順を決めるなど、組織として業務改善を行わなければ、いつか取り返しのつかないことが起きます。
小学生は、思いもかけないようなトラブルが起きることがありますね。準備や引き継ぎは必須です。学校の場合は、残業代関係ないので、ここで言っても仕方ない(改善されるといいが)ですが、時間給で働く方や残業代が認められている場合は必要性があるものについて、絶対に働いた時間分のお金を支払うべきだと思います。声を上げた方が再雇用されないようなことはやめてください。
これは全国の学校で常態化している問題。私が勤める学校では勤務開始は8時20分だが子どもは朝練のない子でも8時頃には登校してくる。用務員さんは命じられた通り8時前には昇降口の扉を開けるため子どもたちは当然こちらの勤務時間など気にせず教室へ。
前に一度職員会議で「働き方改革の一環として定時退校日を設けていますが,たまには定時出校日を設けませんか?」と話したら,子どもが登校してくるのに教員が一人もいないというのはちょっと…ということでした。勤務時間内に子どもの登下校を見守る。これが不可能な今の学校運営。登下校の時刻を制限するか,あるいは特別手当を支給するか。給特法を盾にした定額働かせ放題の現状を早く終わらせてほしい。
学童、夏休み中利用してます。
本当に助かっています。
暑くて大変な中、朝早くからありがとうございます。
気持ちよく働けるように、時間外勤務はちゃんと保証して!!
公立園の保育園、こども園勤務しています。勤務するにあたって着替えて清潔に手指を洗うだけでも早くて5分かかります。それから園の準備に時間がかかります。勤務の為の着替えが勤務時間に入る職業もあります。勤務内容が曖昧な為、全てが公になっていません。
役所の方々は、着替えをせずすぐにパソコンや窓口を開ければ勤務できますが、準備時間が勤務に入らないのは、福祉系のお仕事のみです。飲食、販売等全て含まれています。早急な改善必須です。
全く、ふざけてるな‼️行政は。
1ヶ月位働いてみれば良い。いや、担当課の職員は研修として義務付けるべきだと思う。現場に出ないとわからないことを、机上の空論で決めて欲しくない。
公立保育所で40年働いていました。北海道なので冬場は雪かきが加わります。
30分なんて当たり前。雪のふりかたによっては1時間前に行って玄関や駐車場の雪かきです。保育をする前にヘトヘトの時もありました。それでもサービス。
就業前に準備をする事は、当たり前の事ですがね。
他の方が書いているように保育園でも同じです。早番は7時からですが、7時前には門の前で待っている子もいます。部屋の用意をするだけで20分から30分は早く来て準備しますがその分はサービスです。夕方もクラスの子が怪我したなど保護者に直接話をしたほうが良いときは遅番ではなくても他の作業をしながらお迎えがくるまで待っています。もちろんサービス残業です。
この掲載された内容とまったく同じ環境で勤務しております。今回は夏休みの勤務を取り上げて見えますが、夏休みに関わらず、通常も同じことがいえます。
やることが多くて、当たり前になり考えもしなかったです。全体的な流れをもう少し見直さなければ、人材育成はおろか、今後の見通しは暗雲が漂ってると。
行政も見て見ぬふりしないで、今の課題に真剣に取り組んで頂きたいです。
保育士も同じ。早出の出勤時間=開所時間だけど、そんな時間に出勤していいわけなく、1時間近くタダ働きしてる。こういう仕事してる人たちの善意というか、頼りすぎ。「今どうにかなってるんだからお金使って変えたくない」って国や市が考えてるのがよく分かる。
地方の学童保育の保育士です。
私の職場も、30分程、早く出勤するのは当たり前。夕方も、その日の記録日誌を仕上げたり、次の日のおやつを確認したり、その日の子どもの様子を報告しあったり、やることが多すぎて、定時にあがることはまずできません。
15分ごとに残業はつけられるので、夕方はあまりに長く残るときは残業をつけています。が、朝は基本つきません。夕方めいっぱい仕事をしても、朝てなければ出来ないことも沢山あり、早く出勤するのは当たり前です。そうしないと、子どもを受け入れることができません。
しかも常に人手不足です。一人の保育士がやらなくてはいけない仕事量が多いです。保育園並みに職場環境を整えて頂きたいです。その保育園でさえ、過酷な職場環境です。学童保育はそれ以下です。
保育士に心の余裕がないと良い保育はできません。また、狭いお部屋に子どもを沢山詰め込んで、待機児童が減ったなどと言うのはやめてほしい。学校で集団生活を送り疲れている子どもたちを、また狭いお部屋に入れて集団生活をさせるのは、子どもも大人も疲弊します。かけがえのない放課後をもっと豊かにしたいと学童保育の保育士は思っています。
保育現場では、サービス残業なんてざらです。
朝は、早番のパートの先生も来ますが、1人では時間もかかるし、パートだから時間ギリギリ、又は丁度に来ますから、正規は絶対早めに来ないと子ども来るまでに、開園準備は難しいですよ。
前日に出来る準備はして帰ります。当たり前だよ。
お散歩カートを外に出したり、空気の入れ換え、子ども達のお茶準備、前日干して帰った洗濯物の取り入れ、留守電チェック、夏は午前のプール遊びの準備。これ、前日にやっとけるか?
小規模園でもこれだけの準備を当日の朝してましたよ。「少し早く出勤するのは当たり前」の少し早くって何分くらいのこと言ってる❓️時給のパートさんとか、結構15分刻みで延長料ついたりしますが❓️
保育士です。いくつかの保育園に勤務しましたが、制度上では、7:00〜開園だと、早番は7:00出勤です。出来るわけがありません。
大きな園舎だと、夏場よりも冬場が大変です。6:30〜6:40には出勤して、カーテンを開ける前に、業務用エアコンと床暖のスイッチをもうダッシュで全て押します。それでも、7:00では寒く、子どもたちには部屋が暖まるまで、上着を着ていてもらったりします。
退勤のほうが、子どもたちが帰ったあとなので、慌てずに残りの業務をできますが、20:00まで開園で、20:00までお子さんがいると、もちろん定時では退勤できません。お迎えがやむを得ない理由で、遅れた場合は、園によりますが、30分単位で、超過勤務がつきます。半端になれば、サービス残業です。
わが子たちは、勤務する園とは違う保育園に通っていました。早番の時は、私の出勤時間に合わせて、元同僚でご近所の方数人にお願いして、子どもたちを登園させてもらっていました。徒歩で真っ直ぐ行けば、7:00に到着するのですが、内情を分かっているので、気を使って下さり、ゆっくりと歩いたり、遠回りをして下さっていました。
学童保育にも通いました。地域柄、土曜日出勤で利用をすると、上の子だけの時が度々ありました。1人のために開所してもらい、本当に有り難かったです。子どもにさみしい思いをさせていたと思っていましたが、指導員さんの配慮で、子どもにとっては楽しみで、普段の学童ではできない経験をさせてもらい、感謝しています。
下の子はちがう学童でしたが、NPO法人で保護者が立ち上げた施設で、普段の保育は指導員さんにお任せでしたが、たくさんある行事や研修は、保護者も参加し、子育てを助け合いました。今も感謝しています。上の子は、下のこの学童でバイトをした経験も重なり、ちがう施設ですが、児童指導員を目指して、働いています。
社会の底辺を支えているのは、学童保育や保育園に通う子どもたちと、そのスタッフだと、常々考えています。サービス早出、サービス残業にならないよう、保育時間+準備と片付け=勤務時間にする体制になるよう制度変えてほしいです。
保育現場でも勤務前出勤は当たり前です。出勤時間と退勤時間は子どもを見る時間でそれ以外の保育室の掃除や、保育準備は勤務時間外に行います。30分前は当たり前。1時間以上前に出勤する先生もいます。