気づいていますか? 赤ちゃんは泣いていいよという人たちのサイン 「WEラブ赤ちゃん」プロジェクト

東京すくすく編集チーム
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「ウーマンエキサイト」編集部の石上有理さん

 乳児を一人で連れて出かけるときは、子どもが急にぐずったり泣き出さないように体調を整え、お気に入りアイテムやケアグッズを入念に準備。しかしその甲斐もなく電車やレストランで大泣きし、周りに迷惑をかけまいと目的を果たせずに足早に帰宅するという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。そんな保護者へ「焦らなくても大丈夫」「泣いても気にしませんよ」と周囲の人がステッカーやバッジで意思表示する「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」が続いています。ウェブメディア「ウーマンエキサイト」編集部でこのプロジェクトの立ち上げから関わる石上有理さんに経緯を聞きました。

きっかけはコーヒーが飲めない母親の姿

 WEラブ赤ちゃんプロジェクトが始まったのは2016年。エッセイストの紫原明子さんがカフェでパソコンを広げているときに、同じ店にいた母親の姿を見たのがきっかけでした。

 最初は子どもが眠っており、ゆったりとコーヒーを飲んでいた母親でしたが、やがて子どもが目を覚まして大泣き。店内に泣き声が響くと母親は周囲に迷惑をかけまいと温かいコーヒーをそのままに子どもを必死にあやしました。

 その姿に紫原さんは自分の体験を重ね、「泣いてもいいよ」と周りの人が言ってくれたらどんなに気が楽になるだろうと思い、石上さんに相談。「赤ちゃんが泣いていても温かく見守りたいと思っているよ」という思いをそっと伝えたいと「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を立ち上げました。

WEラブ赤ちゃんプロジェクトの画像

WEラブ赤ちゃんプロジェクトのロゴ

泣いてもいいよ、のサインがつくる空気

 プロジェクト開始当初は、「子どもを泣かせる親が悪い」「泣き声がいいわけがない」といった否定的なコメントがエキサイトに届くことも多かったと言います。しかし今ではプロジェクトサイトで賛同を示す数は9万を超え、300を超える企業や自治体が賛同しています。

 石上さんは「この数年で少子化がとんでもない状況になっていることが広く認知されてきたことを肌で感じる」と言います。

WEラブ赤ちゃんのバナーが京都の商店街に掲示されている画像

WEラブ赤ちゃんのバナーが掲示されている京都府の商店街。社会全体でサポートする姿勢が表れている

 一方で「ステッカーやバッジで示すのではなく、直接本人に(赤ちゃんが泣いてもいいよと)声をかけたらいいのではないか」という声もあるそうです。石上さんは「直接声をかけるのは少しハードルが高いと思う人も。気軽に意思表示ができることで寛容な社会が広がれば」と話します 。

 東京すくすくも、このプロジェクトがより多くの人に届き、誰もが安心して子育てできる社会に近づくことを願っています。

こどもまんなか〜赤ちゃんは社会の宝〜「Our Baby」イベント開催

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 起業家、投資家、研究者など多様なイノベーターが集い、交流を通じて新たなイノベーションを生み出すことを目的としたコミュニティ「ベンチャーカフェ東京」がつながることを目的に毎週木曜日に開催する「Thursday Gathering」。11月6日の回では、石上有理さんほか、子育てを支える多様なメンバーが集まり、「赤ちゃんとママ・パパにやさしい社会」をどう作っていけるかを一緒に考えるセッションが開かれます。どなたでも参加可能です。

 詳しくはベンチャーカフェ東京のサイトをご確認ください。

  • 日時:2025年11月6日(木)16時30分~18時
  • 会場:CIC Tokyo・Room Niji(オンライン参加も可能)
  • 主催:あわベビ 登壇:こども家庭庁・東京都・小田急電鉄・WEラブ赤ちゃんプロジェクト ほか
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