子どもが考える理想の街って? 東京の巨大都市模型を体感し、街づくりに欠かせない視点を学べる「みらまちキャンプ」

 子どもたちに次世代の街のありかたを考えてもらおうと、森ビル(東京都港区)が主催するイベント「みらまちキャンプ」が1月25日に都内で開催され、小学生23人が参加しました。一般公開されていない東京の巨大都市模型を見たり、理想の街を考えるワークショップに挑戦したりして、街づくりに欠かせない「安全」「環境」「文化」について考えました。子どもたちが考える理想の街とはどんなものなのでしょうか。
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巨大都市模型を見る子どもたち=東京都港区で(写真はいずれも森ビル提供)

これが東京?巨大都市模型にくぎ付け

 東京などで大規模再開発などを手がける森ビルは、次世代を担う子どもたちに街づくりを考えるきっかけを提供したいという狙いで、子ども向けの「ヒルズ街育プロジェクト」を2007年から展開してきました。これまでに約650回開催され、延べ2万3000人が参加しています。

 みらまちキャンプは同プロジェクトの一環で、この日は全5回の初回でした。参加者は、港区内の森ビルの施設に集合。森ビルの街づくりに対する考え方について説明を受けた後、普段は関係者以外には公開されていない1000分の1スケールの東京の巨大都市模型を見学しました。ニューヨークと上海の模型も展示されており、見比べると東京がそれらの都市よりも緑が多い様子が一目でわかりました。

 森ビルの担当者が「私たちは街づくりを虫の目、魚の目、鳥の目など、さまざまな視点から見て考えています」と話すと、子どもたちはしゃがんで模型の建物と同じ目線で見たり、ヘリコプターが飛行する高さにあたる見晴らし台に立って全体を俯瞰(ふかん)してみたり、じっくりと観察していました。同席した保護者も興味津々で「原宿はどこ?」「(自分が通う)学校を見つけた?」「ここが大学だ」など街を見ながら会話が弾んでいました。

 また模型はプロジェクションマッピングによって、過去の海岸線を示したり、都内の標高差や鉄道路線網が映し出されたりして、子どもたちは東京の地理や歴史についても街づくりの視点から学びました。

理想だけじゃなく、住人の声も聞いて

 模型を見学した後はワークショップです。子どもたちはグループに分かれて、自分の街にあったらいいなと思うものを考え、ふせんに書き記します。ファシリテーターを務める森ビルのスタッフと一緒に分類し、グループのみんなが理想とする街のイメージをまとめていきます。

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住みたい街について話す合う子どもたち

 「サッカーや野球、バスケットボールがめいっぱいできる場所があったらいいな」「図書館が家のそばに欲しいな」「病院が災害時にも使えるようにしたら安心かも」と自分以外の人の意見にも耳を傾け、「それいいね」「僕も!」とアイデアがどんどん膨らみます。

 自分たちの理想がまとまったところで、ファシリテーターからストップがかかります。「元々住んでいる人たちから街に対する意見が出てきたよ。読んでみよう」と住人からのメッセージが子どもたちに示されます。「車いすの人も過ごしやすかったり、いろんな国の人が安心して住めるまちがいいな」「お祭りなどの昔からの伝統は守り続けたい」といった声に、思いを巡らせます。

 そこで子どもたちは、元の住人たちの意見も取り入れて街を再構築し始めました。「静かに暮らしたい人もいるんだ」「動物もすみやすくなるかな?」と自分たちの理想を考えたときには出てこなかったアイデアが出始めました。

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できあがった街について説明する

便利さも楽しさも、安全も考えた街に

 最後に、子どもたちは理想の街を、マグネットシールを貼る簡単なブロックで表現し、発表しました。図書館や美術館など静かな公共施設を一つの建物にまとめたり、子どもが遊べる広場を中央に配置したり、みんなにとって便利で、住んでいて楽しい街を考えました。

 地上のみならず屋上にも広場や緑化スペースを設けるなど、都市部らしい工夫も。また、災害に強い仕組みを考えるグループが多く、「川と水力発電を一緒に作りました」「津波のための高台を設けました」といった意見に保護者も感心していました。

 品川区から参加した小学5年生の男児は最初は乗り気ではなかったそうですが「来てみたらプロジェクションマッピングとか面白かった」。グループでまとめた模型についても「みんなが欲しいものを詰め込みました」と話してくれました。付き添った父親は建築関係の会社に勤めているとのことで、親子で楽しめたようです。

 新宿区から参加した小学5年生の女児は「みんなで模型を作るのが楽しかった。緑がいっぱいの街がいいなと思っていて、その通りに作れたのでよかった」と満足した表情を見せました。

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虎ノ門ヒルズなどの模型が展示され、興味深く見る参加者たち

 今後のプログラムでは、文化やアートの役割を学ぶツアーを六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズで開催。アートの専門家の解説を聞きながら、開催中の展覧会を鑑賞するほか、防災センターや備蓄倉庫などを見学し、安全・安心を支える街の裏側を探検します。

 また、麻布台ヒルズでは「みどり」や環境をテーマに学び、最終回となる3月22日には、これまでの学びを生かし、未来の街「みらまち」の模型を制作します。作品は後日、六本木ヒルズ内で展示される予定です。

ヒルズ街育プロジェクトとは

 都市再開発事業に取り組む総合デベロッパー森ビルが、未来を担う子どもたちに街づくりのノウハウや街の魅力を伝えるとともに、楽しく学びながら次世代の都市の在り方を考える体験学習プログラム。一般公募によるプログラムのほか、近隣小学校への出張授業や受け入れ授業なども実施している。2007年のプロジェクト開始以降、開催回数は650回を超え、延べ2万3000人が参加。詳しくはヒルズ街育プロジェクトのWebサイトで紹介されている。

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