子どもと向き合う時間のため、労働環境の改善を約束 長時間労働で提訴した児相元職員が千葉県と和解

長屋文太 (2026年3月24日付 東京新聞朝刊)
 市川児童相談所(千葉県市川市)元職員の飯島章太さん(32)が長時間勤務などで退職せざるを得なくなったとして、所管する県に慰謝料や未払い賃金の支払いを求めた訴訟は23日、東京高裁で和解が成立した。

 千葉県は解決金50万円を払い、児相の労働環境改善に努める。東京都内で記者会見した飯島さんは「県がこれから前向きに約束を守っていくか見守りたい」と期待した。

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会見を開いた飯島章太さん(右)と弁護団=東京都で

休憩を取れず、仮眠時間にも業務

 和解条項によると、千葉県は、児相職員の休憩時間が「業務から完全に解放された状態」で確保されるよう、勤務体制の見直し、代替人員の配置、休憩場所の整備などに努める。全職員の休憩時間の実態把握に努め、未払い賃金が判明すれば支払う。条例やガイドラインに基づき、一時保護所職員に研修を実施する。

 飯島さんは2019年4月、虐待や非行などで保護が必要な子どもを預かる「一時保護所」に配属された。だが、人手不足で休憩を取れず、仮眠時間にも業務に追われた。体調を崩し、2021年11月、退職した。

「ケアがより行き届くようになる」

 2022年7月、飯島さんは千葉県を提訴。「子どもと向き合う時間を確保するため、労働環境改善が不可欠」と主張してきた。2025年3月の千葉地裁判決は、県の対応が「職員の心身の健康を損なう恐れがある」と指摘し、慰謝料や未払い賃金計50万円の支払いを命じた。県は即日控訴。2025年10月、東京高裁で結審した。

 会見で飯島さんは「県が労働環境改善の姿勢を見せることが大事になる。新しい職員が集まり、子どもたちのケアがより行き届くようになる」と話した。

 弁護団長の船沢弘行弁護士は「県が自らの義務を認め、改善策を公に宣言した点に大きな意義がある」と評価。和解条項は、県議会の承認を経ているため「和解条項を守ることは、政治的責任。これからも厳しく注視したい」と強調した。

元記事:東京新聞デジタル 2026年3月24日

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