今しかできないことを、大事にしてほしい〈清水健さんの子育て日記〉77

(2026年3月25日付 東京新聞朝刊)
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仕事、中学受験、少年野球。親、してます

 清水健さんの子育て日記

できなくても努力してほしい 

 春から、息子は小学6年生。学校生活も、少年野球も、いよいよ最終学年です。この言葉の響きに、親の僕の方が緊張してしまいますが、わが家にとっては「中学受験」という現実が、確実に色濃くなってくる1年でもあります。

 今しかできないことを、大事にしてほしい。少年野球で仲間と過ごせる時間。なかなか打てない日、エラーをする日だってあるし、しかられる日もある。自分の実力を悔しいと思う日もあると思う。でも、そのひとつひとつが、今しかない時間。試合に出られないことが続いても、こういった経験を大事にしてほしいと心から思う。その一方で、勉強もしなくてはいけない。

 親は勝手だ。本当にそう思います。頑張ってほしい。できなくても努力してほしい。でも、無理はしなくていい。結果を出してほしい。でも、笑っていてほしい。この「どっちも」が、親心なんだとは思うけれど、子どもにとってはたまったもんじゃないだろうなとも思う。

中学受験は親の修業でもある

 中学受験は、子どもの挑戦であると同時に、親の修行でもある。「勉強した?」なんて言いたくない。でも、テストの結果に焦ったり、周りの様子と比べてしまったり。土日は少年野球で、勉強時間はどうしても限られてしまう。このままで大丈夫なんだろうかと、不安になることもあるけれど、息子は息子なりに向き合っている。野球だって楽しいことばかりじゃないはず。勉強もしんどいはず。そんな姿を見ると、隠れてゲーム時間を勝手に延長しているのを知っていても(笑)、つい甘くなってしまいます。

 正解がわからないことばかりです。「これでいい」なんてものはない。みなさんはどうですか。同じ感じですか。少年野球も、中学受験も、どちらも今しかできない貴重な経験で、その時間の中で、息子が何を感じて、何を選んで、どう成長していくのか。親としてできるのは、近くで見守ること。わかってはいるつもりでも、僕は「勉強した?」って聞くし、「野球の素振りは?」とも言うんだと思う。

 春が来る。また新しい1年が始まります。母親がいれば、また違った支え方もあったのかもしれない、と弱気になることもあるけれど、迷い、悩みながらでも、そしてケンカをしても、その時その時で一番いいと思える道を、一緒に探していけたらと思う。たったふたりだけの親子。だから、今日も考える。息子にとって何が一番いいのか。

清水健(しみず・けん)

 フリーアナウンサー。11歳の長男誕生後に妻を乳がんで亡くし、シングルファーザーに。

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