八王子で15歳の男子が拳銃自殺か 高校生がなぜ… 休校明けの不安「抱え込まず相談を」
朝、自室で 母親が起こした30分後に
少年事件課によると、拳銃は金属製で、殺傷能力のある本物とみて鑑定を進めている。弾が数発残っていた。男子生徒の家族などに暴力団関係者はいないとみられる。同課は拳銃をどのように入手したか、携帯電話などを解析して調べる。
午前8時ごろに1階にいた母親が2階から「パーン」という音がするのに気付いた。2階の生徒の自室に駆け付けると、生徒が頭から血を流して倒れていた。
母親は午前7時半ごろ、自室で寝ていた男子生徒を起こし、目覚めたのを確認していた。その後、男子生徒は1階には下りてこなかったという。
母親は通報後、救急隊員の指示で心臓マッサージを試みたが、即死だったとみられる。遺書は見つかっていない。
「中学2年の後半から不登校だった」
男子生徒が4月に入学した通信制の私立高校などによると、男子生徒は母親と姉の3人家族。母親は、男子生徒が中学2年の後半から不登校だったと説明していたという。4月6日の入学式に出席した後、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休校となり、5月末まで同校のオンライン授業を受けていた。
母親は5月下旬に「(男子生徒が)腹痛で病院で検査をしたところ、長く付き合わなくてはいけない病気と診断された」と電話で学校に伝えていたという。男子生徒は学校が再開された6月1日にバスで登校。その後、体調不良などを理由に登校していなかった。
校長「導いてやりたかったのに残念」
校長は突然の訃報に「生徒はこれから頑張ろうと思っていたと思う。導いてやりたかったのに残念。不登校の理由は分からないが、生徒の悩みに早く気付いてやりたかった」と悔しさをにじませた。
現場はJR高尾駅から北に約3キロ離れた住宅街。小学生の子どもがいる近くに住む男性は「この辺りは小さい子を持つファミリー層が多い静かな住宅地。なぜ拳銃を持っていたのか」と不安を口にした。(木原育子、井上真典)
千葉では男子中学生が自殺か 長期休み明け、不安定な子どもを守るめに
8日朝には千葉市内で中学生とみられる少年が電車にはねられ死亡する事故もあり、自殺の可能性が高いとみられている。文部科学省は、休校が約3カ月間にわたり再開時期も不確定だったことなどから、心が不安定になりやすいとして、児童生徒の自殺を防ぐ相談ダイヤルの利用などを呼びかけている。
自殺対策白書によると、18歳以下の自殺は例年8月下旬~9月上旬など長期休み明けに増える傾向がある。文科省児童生徒課によると、長期休み明けは久しぶりの登校や友だちとのコミュニケーションなどに不安を感じやすい。
18歳以下の相談窓口「チャイルドライン」を運営するNPO法人「チャイルドライン支援センター」によると、新型コロナウイルス関連の相談は2月28日~4月30日、延べ730件で「友だちに会えない」「新学期が不安」など。今月に入り「友だちをつくれない」「勉強についていけるか」などの不安が寄せられているという。
高橋弘恵専務理事は「休校が続いて不安になっていた中、学校再開で登校するようになり、つらかったり、すぐに頑張れなかったりすると思う。一人で抱え込まないでほしい」と話す。
文科省によると、2018年度、学校から報告のあった児童生徒の自殺者は332人で、1988年度以降で最も多かった。(土門哲雄)
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