小金井市立保育園の廃園計画、市がコスト削減を過大評価か 10年で11億円分 廃園の意義が揺らぐ可能性

花井勝規 (2022年6月7日付 東京新聞朝刊)
 東京都小金井市が市立保育園5園のうち老朽化した3園の廃止方針を打ち出している問題で、先行する2園の廃園に伴って園児が他の民間園に通う場合に増える市の財政負担分を計上していなかったことが、小金井市が6日の市議会全員協議会に提出した修正資料で明らかになった。一部市議は「意図的な粉飾だ」と批判している。
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小金井市が廃止を検討している市立くりのみ保育園

民間園に通う場合の財政負担を計上せず

 これまで小金井市が市民や議会に説明してきた廃園による財政効果は、5園維持の場合と比べ10年間で計27億1000万円のコスト削減ができる、というもの。今回市が提出した資料では、市の財政負担分を考慮すると、コスト削減の規模は15億7000万円に減る。財政効果を最大で11億4000万円分、過大に評価していたことになる。昨年夏に廃園方針を打ち出す前まで市が検討していた2園民営化のコスト削減効果18億7000万円と比べても小さく、市が進める廃園の意義が揺らぐ可能性が出てきた。

 小金井市は市議らに対し「今回の修正資料は市議からの要望があって追記した。市が考える前提条件とは異なる」と説明。市議会の6月定例会に関連する条例改正案を提出する方針を示している。

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  • 小金井市民の一人 says:

    >2園の廃園に伴って園児が他の民間園に通う場合に増える市の財政負担分
    民間園の園児数(全園児数ー公立園児数)は民営化案でも廃園案でも同じである。だから,民間園に通う園児に対する市の財政負担総額は両案で同じになるはず。なぜこのような加算が必要なのか理解に苦しむ。推測であるが,廃園に伴って行き場のなくなった園児を受け入れるために,廃園案では民間園を2園分新設する仮定なのではないか(結果,2案で保育園総数が同じになる)。それだと,民間園2園を増やすために民営化は既存の土地・園舎を流用できる一方で,廃園案は新規建設が必要になる分だけ財政効果が低い結果になったのだと思う。0歳児に空きが出ている状況で新設は現実的な仮定とは言えないのではないか。
    こういった試算前提がわかるように報道してほしい。表面的に過大評価だと煽るだけではマスコミの信用が失われていくだけだと思う。

    小金井市民の一人 50代
  • 小金井の一市民 says:

    当市の公立保育園の存続に関する問題を継続しての取材・記事化してくださり、ありがとうございます。大変心強いです。

    >園児が転園する際の財政負担を計上せず

    と見出しにありますが、正確には、「廃園に伴い公立園から私立園へ、転園する児童がいる」という前提・イメージではなく、
    「公立園があれば、公立園に入園していたはずの子ども達が、(当該公立園が募集停止した場合に)公立園に入園するかわりに民間園へ入園して通園する」という前提での、「その、(募集停止した公立園に入るはずだった)子ども達が民間園に通う人数分、市が負担することになる金額(私立園通園児一人当たりの負担金)」が計上されていなかった、ということだと思います。
    これは、見出しでは、なんと表現したらいいのでしょうか……

    小金井の一市民 40代
    • 今川綾音 says:

      コメントありがとうございます。
      ご指摘を受けて文中の見出しを変更しました。

      すくすく編集チームより

      東京すくすく編集チーム  

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