アスリート向け「発酵ジンジャーエール」さいたま市の中高生たちが開発 日本薬科大が協力
選手が試飲「パフォーマンス上がりそう」
開発はさいたま市教育委員会と日本薬科大(埼玉県伊奈町)が2月に結んだ連携協定がきっかけ。さまざまな効能のある漢方の知見を持つ同大と子どもの学びを融合させた最初の取り組みとして、市内のプロスポーツチームの選手を応援する独自の食品開発に乗り出した。
生徒たちに日本薬科大の学生が協力し、約25人が5月から始動して選手への聞き取りから始めた。協力団体の1つだった発酵ジンジャーエールの醸造を手掛ける会社の商品がベースに決まると、栄養成分が豊富なヨーロッパ野菜の「ビーツ」や、タンパク質や鉄分が含まれて貧血防止になる「ナツメ」などの漢方を採用。選手の闘争本能をかき立ててやる気をアップさせるため、自然着色料で赤色にすることにもこだわった。
18日に市内で試飲会があり、卓球チーム「T.T彩たま」の高木和(たかきわ)卓選手(33)と、バスケットボールチーム「さいたまブロンコス」の野原暉央(あきひさ)選手(24)が参加した。普段はジュース類は飲まないという野原選手は「すっきり飲みやすくて体が温まる感じがした。パフォーマンスが上がりそう」と高評価。高木和選手は「びっくりするぐらいおいしかった。地元のチームのために考えてくれてありがたいし、(商品化されたら)人気が出て広まってほしい」と感謝していた。
本格生産へクラウドファンディング企画
試飲会では生徒たちが考えた4つの食事メニューも発表。発酵ジンジャーエールと一緒に食べるレモンとバナナのクッキーや、運動中に気軽にエネルギー補給できる「薬膳ドライカレーおやき」などが紹介された。今後はインターネットのクラウドファンディングで資金を募り、本格的な生産が目標になる。寄付をした支援者には返礼として発酵ジンジャーエールを送ることも計画中だ。
商品化を見込んでラベルデザインに取り組んでいる市立浦和高2年の岩崎志帆さん(17)は「こんなに喜ばれて素直にうれしい。私もジンジャーエールが好きなので、体が温まるような新たな側面を引き出せて良かった。県内外の多くの人に広まって、地域の名物になってくれたら」と笑顔で夢を語っていた。
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