〈えほん〉「手ぶくろを買いに」作・新美南吉 絵・羽尻利門
長壁綾子 (2023年11月22日付 東京新聞朝刊)
寒い冬が、きつねの親子のすんでいる森にもやってきた。真っ白な雪がどっさり降ったある朝、子ぎつねは真綿のようにやわらかい雪の上を駆け回る。
洞穴に帰り、「おててがつめたい」とぼたん色になった両手を差し出す子ぎつね。母ぎつねはしもやけができてはかわいそうと、ぼうやの手に合う毛糸の手袋を買ってあげようと思い立つ。夜になったら、人間の住む町まで行って-。
今年は、新美南吉の生誕110年で没後80年。長年教科書に載ったおなじみの名作を、親子のぬくもりが伝わるような優しい絵で、新たな装いの本にした。寒い日に、ほっと心を温めてくれる一冊。
1760円。新日本出版社=電話03(3423)8402。
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