RSウイルス感染症 1歳未満は重症化に注意、怖さはインフル以上
早まる流行 夏も注意
RSウイルス感染症は、RSウイルスによる呼吸器の感染症で、2歳までにほとんどが感染するとされる。発熱や鼻水、せきなどの症状が数日間にわたって続く。ほとんどが軽症だが、1歳未満が初めて感染したときは重症化しやすい。
例年は9月ごろから流行するが、国立感染症研究所が全国約3000の小児科医療機関を対象にした調査では、昨年は7月からRSウイルス感染症の患者が急増。ピークとなった9月中旬の週間報告数は1万500人に上った。2016年、12年も夏から患者が増え始めた。理由は不明だが、流行期は早まる傾向にあるとみられる。
愛知県豊明市の女性(32)の生後6カ月だった長男も昨年7月、RSウイルスに感染。「熱が出てぜーぜーと苦しそうだった。母乳やミルクを飲まなくなり心配した」と振り返る。5日間入院し、付きっきりで看病した女性も体調を崩した。
怖さはインフルエンザと同じか、それ以上
RSウイルスは感染力が強く、患者のくしゃみやせきなどの飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付いたものを手で触って粘膜についたりして広がる。
ただ、認知度は高くない。医薬品メーカー「アッヴィ合同会社」(東京都)が、2歳未満の子どもを持つ親1800人に聞いた調査では、RSウイルス感染症を知っていると答えた人は49%。同じく乳幼児は重症化しやすいインフルエンザの98%と比べて、大幅に低かった。豊明市の女性も「はしかや風疹の怖さは聞いていたけど、RSウイルス感染症のことは全く知らなかった」と話した。
同研究所の感染症疫学センター前室長で、群馬パース大大学院の木村博一教授は「RSウイルス感染症は、乳幼児にとってはインフルエンザと同様か、それ以上に怖い病気。もっと啓発が必要だ」と訴える。
予防する・重症化を防ぐには?
2歳以上になると感染しても症状が軽く、鼻風邪程度でRSウイルス感染症と気付かないこともあるが、「親や年上のきょうだいからうつるケースもある。幼い子どものいる家庭は、手洗いなどを徹底することが大切」と注意を促す。
予防は、まず手洗い。家に帰ってきたら必ず手を洗い、ウイルスを持ち込まないようにする。食事の前や鼻をかんだ後の手洗いも有効だ。乳幼児は何でも口に入れるため、おもちゃなど身の回りの物を定期的に消毒する。周りでRSウイルス感染症がはやり始めたら、必要な場合を除いて人混みは避けた方がいい。家族でせきが出ている場合は、必ずマスクを着用しよう。
慶応大周産期・小児医療センターの山岸敬幸副センター長によると、1歳未満の中でも、早産で生まれたり、慢性呼吸器疾患や心疾患のあったりする場合は、感染するとさらに深刻になる恐れがある。こうしたケースでは、流行前に保険適用で予防接種ができる。
山岸副センター長は、昨夏の流行を受けて、2カ月の女児に予防注射をした例を紹介。「その後にRSウイルス感染症にかかったが、重症にならなくて済んだ」と有効性を話した。
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RSウイルスの怖さ、感染症にかかった時の症状が分かりやすく書いてあり、大変良い記事です。予防注射があることを、もっとママたちに普及させて欲しいです。
私の2歳の孫 は、親が自然派育児に傾倒するあまり、麻疹も風疹も、破傷風も、もちろんRSも、予防接種を受けていません。VPDを知って子供を守ろう、の記事を見せてもダメです。取り返しのつかないことになってからでは遅いです。感染症はコロナだけではありません。もっと、乳幼児の予防接種の必要性について、議論して欲しいです。予防接種法でも、今はA類疾病でさえ義務化していませんが、子供は自分で判断できないので、親の間違った考えで犠牲になってしまいます。乳幼児の予防接種は、医学的に不可の場合以外、義務化するべきだと思います。
我が家の次男も4ヶ月の時にRS ウィルスで入院しました。実家は遠く、いつも一緒にいる7つ上の長男の風邪がうつったとのことでした。即入院。まだ母乳しか飲まなかったので、毎日冷凍母乳を運んだけれど、慣れていない哺乳瓶の吸い口を拒否し、水分補給は点滴のみ。一日中母乳を求めて泣き叫び、病院から電話があり、私は面会時間よりも早く病院に行き、母乳の飲みだめをしていた次男でした。数値が落ち着いたという事で、予定よりも3日も早く退院許可がおりたのはいうまでもありません。兄弟がいるおうちは要注意です。と、母親教室で教えて欲しかったです。