双子や三つ子の育児「不安を楽しみに」 さいたま市でNPO法人「さいたま多胎ネット」設立

藤原哲也 (2025年2月27日付 東京新聞朝刊)
写真 さいたま多胎ネットの団体ロゴを紹介する花俣さん(前列左)と理事・顧問のメンバーたち

さいたま多胎ネットの団体ロゴを紹介する花俣さん(前列左)と理事・顧問のメンバーたち

 埼玉県内で双子や三つ子などの多胎育児に直面する家族を支えようと、さいたま市にNPO法人「さいたま多胎ネット」が設立された。これまで多胎サークルとして取り組んできた支援活動の輪を広げるのが目的で、代表理事の花俣美加さん(51)は「行政などとタッグを組みながら、多胎サークルのない地域の人にもできるところからサポートしたい」と意欲を語る。

親1人では外出も困難な多胎育児

 自らも双子を育てる花俣さんは2010年から昨年まで多胎サークル「さいたまピーナッツクラブ」の代表を務め、多胎育児経験者の仲間らとともに妊娠期の多胎ファミリー教室や産後向けのサークル活動などを開いて支援活動に携わってきた。

 頻繁な授乳やオムツ替えで睡眠時間が確保できず、体力的に過酷になりがちな多胎育児-。1人では外出も困難になるなど特有の事情から両親ともに孤独になりがちだ。支援が行き届かない多胎家庭は県内でもまだ多いとみられ、今のままでは道半ばと考えた花俣さんは支援の輪を県内全域に広げようと、NPO法人設立の準備を進めてきた。

 設立は2024年11月で、既に県内外の自治体から活動や取り組みについての問い合わせがあるという。花俣さんは「NPOになった方が、行政側も安心して関わる感じがある」と手応えを語る。同12月には早速、県の多胎プレママパパ教室を開催した。

写真 2月15日に開かれた多胎ファミリー教室の様子

2月15日に開かれた多胎ファミリー教室の様子

子育て仲間とつながり助け合いを

 既にさいたまピーナッツクラブで取り組んできた多胎ファミリー教室の主催を引き継いでおり、2月15日に開いた第8回教室ではオンラインを含めて14家族が参加。実物をなかなか見る機会がない双子用ベビーカーや多様な育児グッズなどが並べられ、妊娠中の母親とその家族らが多胎育児経験者のスタッフに育休事情について熱心に質問するなど充実した内容だった。

 NPO設立に当たり、3つの輪が重なる団体ロゴも作成した。ママと双子、3つ子の3人の子どもたち、複数の多胎家庭同士のつながり、多胎家庭と社会と支援者-といったイメージを3つの輪に込めた。花俣さんは「多胎育児の『不安』を『楽しみ』に変えてあげたい」と意気込んでいる。

元記事:東京新聞デジタル 2025年2月27日

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