〈大滝麻未さんの子育て日記〉15・子どもの食生活の意識を変えてくれた 手づかみ食べ離乳法「BLW」

(2025年11月12日付 東京新聞朝刊)
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スモークチキンを食べる奏音

 大滝麻未さんの子育て日記

苦手で食べないもの ほとんどない

 皆さんこんにちは! 今年3月の子育て日記で、奏音(かなと)の離乳食に「Baby-Led Weaning(ベビー・レッド・ウィーニング、BLW)」という食事法を取り入れたことを紹介しました。英国の食事法です。赤ちゃんが自分で食べる物や量を選び、手づかみで食べます。長男柚生(ゆずき)の食べムラや食べ遊びに悩んでいたので、試してみたのです。

 早いものであれから半年以上がたちます。私たちにとっても新しい挑戦だったBLWですが、今では私たちと同じものを食べるようになりました。まずは「やってよかった」というのが率直な感想です。

 奏音と同じ年齢だったころの柚生とを比べると、量は同じくらいもりもり食べていたのですが、食べられるものの幅が大きく違います。自我や、味の好みも出始める時期なので、とにかく遊びたい日や「今日はこれは食べない!」という時もあり、日によって違いはありますが、今のところ「苦手で食べないもの」はほとんどないように感じます。

食べなくても出し続けてみるように

 振り返ってみると、柚生に対しては「たくさん食べること」が最優先になりがちで、無意識に嫌がるものを避けていた気がします。今はその反対。私自身が逆に自分の当たり前にとらわれず何でも食べさせてみることや、一度食べなくても継続的に出し続けることを意識するようになりました。柚生は絶対に食べないネギやピーマン、梅干しも、奏音はおいしそうに食べるので驚かされることさえあります。何でも食べるので外食も楽になりました。

 食べ遊びも始まる時期ですが、基本的にはお皿、フォークとスプーンをテーブルに置いて、自分で好きな食べ方で好きなように食べさせています。

 まだ手で食べることも多いのですが、気が向けばお気に入りのカトラリーを使って上手に食べ進めます。食べたくないものをポイポイしたり、汁物は上手に飲めずにこぼしたりすることもありますが、一喜一憂せず、手を出さないようにしています。2人目なので、少しのことでは動じなくなったのかもしれません。

 BLWという食事法が、奏音には合っていると思いましたが、より大切なのは「食」への意識の持ちようかもしれないと感じています。こんな根本的なことにも新しい挑戦をしなければ気づかず、同じことを繰り返していたでしょう。

 何より奏音が食事を楽しんでいる姿を見ることができるのが日々の喜びでもあります。この先に変化があるかもしれませんが、2人にとって「食べることが楽しいこと」であるよう、働きかけたいと思います。

大滝麻未(おおたき・あみ)

 女子サッカー元日本代表。夫は英国とイタリアのハーフ。1歳4歳の兄弟を日英伊の3カ国語で育児中。

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