〈大滝麻未さんの子育て日記〉12・弟に手を出すお兄ちゃんを叱ってばかり

(2025年6月25日付 東京新聞朝刊)
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かわいい弟の隣でお兄さん風を吹かせる柚生(左)

大滝麻未さんの子育て日記

弟をつねったり、たたいたり・・・

 早いもので、次男の奏音(かなと)が1歳の誕生日を迎えました。そして長男の柚生(ゆずき)にとっても、お兄ちゃん1歳の誕生日です。出産に立ち会ったので、弟が生まれてくる瞬間を目の前で見てからの1年間。まだまだ幼い柚生にとって、私たちの想像以上に大きな変化だったと思います。

 「ママは奏音にだけハッピーなんだよね。奏音は偉い子だから好きなんでしょ?」。約2カ月前、柚生に言われて、胸がギュッと苦しくなりました。きつく叱った後でした。その後本人はケロッとしていましたが、そんなことを言わせてしまった自分に悲しくなりました。

 振り返ってみると、次男は生まれてすぐのころはよく寝る子だったので、柚生とたくさんの時間を過ごせました。赤ちゃん返りもありませんでした。次男が抱っこを求めて泣いたり、少しずつ動き始めたりで目が離せなくなると、柚生は時々弟の足や手をつねったり頭をたたいたりするようになりました。

 それからの毎日は柚生を叱ってばかり。なぜ大切な弟にそんなことをするのか理解できず、とにかく言うことを聞かない柚生に厳しく言い聞かせました。それでも変わらなかったので、奏音がどれだけ柚生のことが好きかを少し大げさに伝えるようにしました。

本人にも分からない不安な気持ち

 私と2人きりの時間はできるだけつくるようにしています。弟が寝た後はパパとママを独り占めできる時間。パズルやサッカーなど柚生がやりたいことに付き合います。幼稚園を1日休んで、2人でディズニーランドに行ったこともあります。でも、柚生の言葉で気付かされました。柚生本人にも分からない不安定な気持ちの表れだったのかな。

 時間はかかりましたが、最近はようやく弟がいとおしい存在になってきました。帰宅するとまず奏音を捜し、奏音が風邪をひいて鼻水を吸引され大泣きすると、自分も泣いて怒ります。奏音が保育園に行くのはかわいそうだと話してくれます。きっと柚生自身が幼稚園より家で遊ぶ方が好きだからでしょう(笑)。少し前は柚生を見るとおびえていた奏音も今ではお兄ちゃんが大好きで、後ろをついて一緒に遊びたがります。そんな気持ちの変化と同時に、少しずつ柚生の行動も落ち着いてきました。

 まだまだ未熟な親だと痛感することばかりで、子どもたちからたくさん学んだ1年でした。これから奏音もどんどん自我が芽生え、けんかも増えるでしょう。兄弟の関わり合いの中で互いを思い合うことを学べるよう、働きかけていきたいです。

大滝麻未(おおたき・あみ)

 女子サッカー元日本代表。夫は英国とイタリアのハーフ。1歳3歳の兄弟を日英伊の3カ国語で育児中。

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