〈大滝麻未さんの子育て日記〉9・まだ3歳の長男のしつけはどこまで厳しくするべき?

(2025年2月19日付 東京新聞朝刊)
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本当は弟がかわいいお兄ちゃんの柚生(右)

大滝麻未さんの子育て日記

弟を泣かせるお兄ちゃんに怒ってばかり…

 みなさん、こんにちは! 最近長男の柚生(ゆずき)がやんちゃを極め、私も夫も毎日怒ってばかりです。次男の奏音(かなと)もますます目が離せなくなったこともあり、せっかく家族全員で過ごせる大好きな休日がたまにおっくうに感じてしまうくらい手を焼いているのです。

 弟が遊んでいるおもちゃを取ったり、接し方が乱暴で泣かせてしまったり。弟のことはかわいくもあり、複雑な気持ちもあるのだと思いますが、厳しく言い聞かせるようにしています。「怒ってばかり…」と嫌になることもあります。

 ダポト家の教育の基準は「Good person」であること。正解がないのが難しい子育てですが、迷ったときにはいつもここに立ち返って考えるようにしています。柚生は言葉で伝えればほとんどのことを理解しているように思いますが、そうは言ってもまだ3歳。どこまで「しつけ」を厳しくするべきか。夫婦で「今のは言い過ぎじゃない?」とその都度話すようにしています。

イギリスではイヤイヤする子を見ない?

 ある日夫と買い物をしていた時、床に寝転んで泣き喚(わめ)く子どもを見て、夫が「日本ではこういう場面をよく見るよね。イギリスではほとんど見ないな」と言うので驚きました。イヤイヤ期の象徴だと思うのですが、そんなことをしたらかなり厳しく言い聞かされるみたいです。

 イギリスで育った夫が子どものころの家庭のルールを教えてくれました。食事で出されたものは必ず完食しなければならず、自分が食べ終わっても全員が終わるまで席を立つことは許されなかったそう。当たり前かもしれませんが「Thank you」や「Please」を言うことは幼い頃から厳しくしつけられたそうです。

 柚生が2歳くらいの時、私はまだ理解していないからとあまり怒らないようにしていましたが、夫はもっと厳しくするべきだという考えでした。年齢にかかわらず一人の人として大人と同等に接しているように感じました。日本では社会のルールを守ることを重要視しているのに対して、イギリスは人としてどうあるべきかが大切にされているようです。

 夫の実家に帰省した際、親戚や友人の子どもたちと遊ぶ機会がたくさんありました。小学生から思春期真っただ中の子もいますが、初めてでもしっかり目を見て話してくれる子が多く、その振る舞いや社交性に感心させられます。夫のいう「Good person」が腹落ちした瞬間でした。  

大滝麻未(おおたき・あみ)

 1989年、神奈川県生まれ。女子サッカー元日本代表。夫は英国とイタリアのハーフ。0歳と3歳の兄弟を日英伊の3カ国語で育児中。

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  • さっさ says:

    いつも楽しく拝見しております。子育ての難しさとか楽しさが伝わってきて私も参考にしてもらってます。娘がイヤイヤ期なので悩んでましたけど、参考にします。厳しくするのは難しいですけどね。

    大滝さんは随分昔、東京新聞で連載していたときからファンです。これからも楽しい子育てを書いていってください。楽しみにしてます

    さっさ 男性 30代

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