2歳の息子がおちんちんをベッドにこすりつけて… 見て見ぬふりでいいですか?〈宮里暁美の子育て相談〉 - 東京すくすく | 子どもとの日々を支える ― 東京新聞

2歳の息子がおちんちんをベッドにこすりつけて… 見て見ぬふりでいいですか?〈宮里暁美の子育て相談〉

(2025年1月10日付 東京新聞朝刊)

自尊心を傷つけないよう、どう反応すればいい?

 2歳7カ月の男の子を育てています。最近朝起きた時などにベッドにおちんちんをこすりつけていて戸惑っています。彼の自尊心を傷つけてはいけないと思い、何も言わずに見て見ぬふりをしていますが、どう反応するのが彼のためなのでしょうか。(30代母親)

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イラスト・永須華枝

気持ちや動きが変わる働きかけを

 乳幼児期の子どもが、ふとした拍子に性器を何かにこすりつける事で気持ちが良くなったという経験をすると、それを繰り返すということがあるようです。親として、そのような姿を見るとドキッとしますが、厳しく注意したり禁止したりする必要はありません。しかられたり禁止されたりすると、隠れてするようになる可能性もあるからです。それよりも、気持ちや動きを変えるきっかけになる働きかけをしてみます。

 相談者のお子さんは朝起きたてのぼんやりした時にしがちな様子です。だとしたら「おはよう」と声をかけて抱きあげたり「お水飲む?」と声をかけたり、お子さんの好きなおもちゃの話をしたりなどいろいろできそうですね。どうぞ明るく対応してみてください。

 小さい子どもは「うんち」「おしっこ」「ちんちん」などの言葉を面白がって言う時期がありますが、これも成長とともになくなっていきますから大人が気にしすぎないことが大切です。ただし、ふざけてお尻や性器を見せるような動きが見られたら、ちょうどいいタイミングなので「プライベートゾーン」の話をしてあげてもいいかもしれません。

 「プライベートゾーン」とは、自分の体の中の水着で隠れる場所と口を指します。他の人が勝手に見たり触ったりしてはいけない場所。もしも大事なその場所を勝手に見たり触ろうとする人がいたら、イヤだよと言って逃げて信頼できる大人に話そうねと伝えます。そのくらい大切なところだからお尻や性器を見せたりするのはやめようねと教えてあげましょう。

 3歳くらいになったら自分の性器を自分で洗う練習をするのもよいと言われています。プライベートゾーンの理解は子どもの性被害予防にもつながります。大切な性教育の絵本もたくさん出版されています。子どもたちにわかりやすく語りかけている内容なので、活用してみてください。

(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授) 


【子どもへの伝え方が参考になる、こちらのイラストエッセイも一緒に
子どもへの性教育 理解できそうな言葉で、繰り返し〈瀧波ユカリ しあわせ最前線〉8

【子どもとのやりとりについて、もっと考えたい人は】
性教育の「10の悩み」 親子のこんな場面が伝えるチャンス

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