子ども予算2.6%の増額どまり 政府方針「倍増」にほど遠く 来年4月こども家庭庁「総額4.8兆円」で発足
坂田奈央 (2022年12月24日付 東京新聞朝刊)
来年4月に発足するこども家庭庁の2023年度予算案は4兆8104億円だった。岸田文雄首相は子ども関連予算の「将来的な倍増」を掲げるが、22年度に厚生労働省や内閣府が計上した関連予算と比べて1233億円(2.6%)の増額にとどまった。
予算足りず…保育士配置基準見直せず
予算案では、虐待などの不適切保育や園バス置き去りなど、子どもが犠牲になる事件・事故が保育施設で相次いだことを受け、保育現場の負担軽減につながる施策を盛り込んだ。既存の所管省庁で拡充できなかった事業に着目したという。
保育士不足を巡っては、定員が121人以上の保育所(全国約4000施設)を対象に4~5歳児クラスで保育士1人当たり幼児30人の現行の配置基準から、1人当たり25人に改善できるよう財政支援するため、13億円を計上した。ただ、配置基準自体の見直しには600億円程度かかるといい、今回は見送った。
妊娠・出産時支援金 今後の財源課題
政府が10月末の総合経済対策の一つとして打ち出した、妊娠・出産時に10万円相当を支援する「出産・子育て応援交付金」では、23年度下半期分として370億円を充てた。政府は恒久化の方針を示しているが、財源が課題となっている。
産院から退院したばかりのすべての母子が宿泊型などの産後ケア事業を受けられるよう、1回の利用料を2500円減免(住民税非課税世帯は従来通り1回5000円を減免)するため、57億円を盛り込んだ。
こども家庭庁は来年4月に430人体制で発足する。小倉将信少子化担当相は23日の会見で、子ども関連予算の倍増の道筋を来年度の「骨太の方針」で示すとの政府方針に触れ、「議論をしっかりと積み上げていく」と話した。
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