変わること 変わらないこと 両方を抱えて迎えた2月〈清水健さんの子育て日記〉76

特別じゃない一日。親子で、同じ景色を見ている

どうすれば不安を取り除けるか
2月が来るたびに、何かソワソワしてしまう自分がいます。妻の命日。毎日の中の一日だけれど、やっぱり特別な一日。今年で11回目です。親子2人が当たり前になった日常、写真の前で手を合わせる時間も短くなりました。でも、やっぱり、命日が近づくと、心のどこかが勝手に反応してしまう自分もいます。
今年、息子は小学6年生になります。変わったことと、変わらないこと。「勉強した?」そんな会話も増えてきて、言い合うことも多くなってきました。学校で縄跳びのテストがある前日、自信なさげな息子を見て、「練習に行く?」と聞けたのは、仕事で帰りが遅くなった夜10時。その時間から、冷たい風が吹く冬の夜、2人で練習。翌朝も、朝の5時から再び練習。小学生なりのプライドがあるんだと思う。気づかないと、親にも言わないことが増えてきている。
少年野球では、失敗するかもしれない不安を、どうすれば取りのぞいてあげられるのか。性格もあるから、簡単なことではないことはわかっている。それでも、うまくいかなくたっていい、練習をサボっているわけではない息子に、楽しんでほしい。自信を持って取り組んでほしい。「失敗なんてしていいんだよ」。そう何度も言うけれど、そう思わせてあげられていない親が、ここにいます。
寄り添える親でいてあげたい
息子の成長とともに、親としての居場所も、役割も変わってきました。誰かと話す時、妻の話よりも、息子の話をすることが多くもなっています。その分、「ちゃんと父親ができているだろうか」と考えることも増え、答えが出ないことに、父親としての自信をなくすこともあります。でも、強くなろうとするのはやめました。意地を張るのもやめました。親として、まっすぐに向き合い、一緒に悩んで、立ち止まり、同じ方向を見て、寄り添える親でいてあげたいなと思っています。
時間は、悲しみをなくしてはくれません。「いてくれたら。いてほしい」と思う寂しさや相談したいことは、増している気もします。ただ、「母親がいない」という現実の置き場所を少しずつ、時間は変えてくれる。変わることと、変わらないこと。その両方を抱えながら、今年も2月を迎えています。親として、父として、完璧なんて程遠い。それでも、今日も一緒にいて、同じ時間を過ごしている。それってすごいことで、それがどんなに幸せなことなのか、11回目の命日が改めて教えてくれています。
フリーアナウンサー。11歳の長男誕生後に妻を乳がんで亡くし、シングルファーザーに。
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