「顔見られたくない」いじめに悩む子に仮面相談会
上田融 (2018年8月22日付 東京新聞朝刊)
いじめや引きこもりの撲滅を目指す一般社団法人「ヒューマンラブエイド」(HLA、練馬区)が、人に会いたくない、顔を見られたくないと感じる子どもたちのため、顔を出さずに相談できる「出張駆け込み寺 合同仮面相談会」を8月31日、渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木神園町)で開く。新学期を前にいじめに悩む子に寄り添う。
おしゃべりだけも歓迎
当日は、相談に来る人自身が仮面やマスクを装着したまま会場に入ることができる。コスプレなどの変装も可能だ。会場にも仮面やマスクを用意し、選べるようにする。
相談は個別でもグループでも可能。弁護士や臨床心理士、いじめ防止に取り組むHLAスタッフらが応対する。悩みを打ち明けるなどの相談だけでなく、スタッフらとおしゃべりするだけでもいいという。
「一歩踏み出すきっかけに」
仮面相談を考えたのは、子ども時代にいじめに遭い、克服した経験を持つHLA共同代表で歌手の刀根麻理子さん。刀根さんは「いじめに遭うと、人と会うのが怖い、外に出て行きたくない、という気持ちになる。素顔をさらさずに相談できることで、自分で抱えこまず、ほんの少し勇気を出して一歩踏み出してもらうきっかけにしたい」と語る。
リラックスの場
相談とは別に「リラックス レクリエーション広場」を設ける。音楽に合わせて踊ったり、お笑い芸人のトークを楽しめたりする。また、いじめ加害者に対する「今に見てろ」などの思いを紙に書いて燃やし「自分の後ろ向きな気持ちを捨てる」(刀根さん)遊びも行う。
元小学校長で共同代表の仲野繁さん(63)は「子どもの自殺は9月の新学期前が一番多い。リラックスしてもらうことでかけがえのない命を守りたい」と話す。
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