「人と食事するのが怖い」なんて言わないで! 板橋の公立中に子ども食堂 地域で顔の見える関係を

子どもたちに配るカレーライスを準備する地域の大人たち=板橋区で
つながりが深まれば、災害時も助け合える
夕方、部活帰りの生徒たちが続々と会場の被服室に入ってきた。カレーライスとフルーツポンチが振る舞われ、「給食より、おいしい」「次はハンバーグがいい」などと、子どもたちの明るい声が響き渡った。調理をした上岡由美さん(54)は「おいしいと言ってくれて、ほっとしました」とほほ笑んだ。
主催は、学校や保護者、住民による同校コミュニティ・スクール推進委員会。そうした組織は、学校運営に地域の力を生かすため、板橋区内の全ての区立小中学校にある。
「子ども食堂をやりたい」という声は以前から上がっていた。場所が見つからなかったが、同校の増田裕子校長が学校での開催を快諾した。増田校長は「外国籍で日本語が苦手な生徒もおり、支えてくれる多様な情報や人材の発掘が必要だった。つながりが深まれば、災害時も助け合える。地域のための活動は、イコール学校のため」と話す。
学校開催なら、子どもが偏見を感じない
同推進委員会は、住民が校内で生徒に夕食を提供している世田谷区立桜丘中学校を視察し、子ども食堂の運営者らから話を聞く勉強会をするなど、準備を進めてきた。
「いつも一人だから、人と食事をするのは怖い」という子の声を耳にし、胸を痛めたという小檜山耕市委員長(59)は「居場所を作り、子どもたちの笑顔が見たい。それが幸せですから」と話す。高齢者や小学生にも来てもらえるよう、運営方法を吟味するという。
こども食堂ネットワーク事務局によると、住民らが学校で子ども食堂を運営するには、互いの信頼関係が不可欠だという。釜池雄高さん(42)は「子ども食堂の情報をどう届けるかが課題の一つだが、学校開催なら一気に乗り越えられる。子どももスティグマ(偏見)を感じずに行ける」とその利点を指摘する。
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