「進学準備のお金がない」困窮家庭のため、返済不要の入学給付金を3月に 豊島区のNPOが寄付募る
きっかけは「高校の制服代を払えない」
取り組みを始めて6年目を迎えた。きっかけは、ある母親の「高校の制服代を払えない」という訴えだった。チャリティーイベントで寄付を募った。2017、18年には通販会社のカタログハウスから計400万円の寄付を受けた。一方で、区と連携し、全ての区立中学の3年生にチラシを配り、生活保護を利用する家庭にも給付金提供の情報を届けた。
不正を防ぐため、収入などは厳格に審査する。給付時は弁護士同席で相談にのり、子ども食堂や学習支援などの情報も紹介する。同ネットワーク理事長の栗林知絵子さん(53)は「お金の困り事を相談しにくい中、給付金により『つながりをもらった』という声が届いている。さらに今年は、みなで支える機運を醸成したい」と話す。
昨年から、小中学校進学にも対象拡大
早い時期からつながってほしいと、高校や専門学校だけでなく、昨年から小中学校進学に対象を拡大した。来年は3月の合格発表直後に、公立小中学校入学の計40世帯に各1万円、高校や専門学校進学の40世帯に各4万円を提供する。
今月末まで、「WAKUWAKU入学応援給付金」の特設サイトや、クラウドファンディングサイト「Good Morning」で、寄付を受け付ける。問い合わせは月、火、木曜の午前10時~午後8時、同ネットワーク=電話090(3519)3745=へ。
国や都の支援は入学の半年以上先…「とても助かった」
長男と次男が高校に進学した豊島区で暮らす女性(45)は昨春と今春、給付金4万円を受け取った。女性は体調を崩し仕事を辞め、生活保護を利用している。
長男の私立高校入学金、学校設備費などで約40万円必要だが、光熱費や食費を抑えても全額を工面できずにいた。国や都の支援制度はあるが、入金は入学から半年以上先。そんなとき、ソーシャルワーカーから給付金の存在を聞いた。
理事長の栗林さんから直接、給付金を手渡された。今春には次男が公立高校に進学し、再び給付金を受け取った。自宅に食材を届けてもらうなどし、悩みも打ち明けられるように。女性は「とても助かったし、何より素直に話せる相手を見つけられた」とほっとした表情で語る。
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