水に浮くランドセルが命を救う 浜松のメーカーが開発
高橋雅人 (2021年5月13日付 東京新聞朝刊)
「ウクラン」8月発売へ
メガネケースなどを製造販売する栄商会(静岡県浜松市)が水に浮くランドセルを作った。体験会が同市の市総合水泳場トビオであり、地元の小学生6人が体感した。商品名「ウクラン」として商標登録を申請中で、8月中の発売を目指す。
お腹側に固定 流されても上を向ける
緊急時には空にして背負い、ふたを頭の上から腹側に回してベルトで固定する。ウレタンが入っており津波などで流されても、上を向いて浮く仕組みだ。
児童たちは使い方の説明を受けた後で装着、服を着たまま水深1.4メートルのプールへ。あおむけになって力を抜くと自然に体が浮き、こわばっていた顔にも笑みが浮かんだ。
浜松市東小3年の渡辺帆純君(8つ)は「服は重かったけど、力を入れなくても浮いた」とびっくり。見守った父崇さん(43)は「いざというときにあれば安心だし、ライフジャケットのようで画期的。小学校を卒業してからもそのまま使えるのでは」と歓迎した。
大地震の津波に備えて「すごく安心」
同小3年の岡見心春さん(8つ)は、東日本大震災での津波の映像を見たのをきっかけに参加。「10年前に津波はたくさんの人の命を奪ったのを知って怖かったけど、これさえあれば身が守れるかもと思って、すごく安心しました」と話した。
体験会に協力した日本ライフセービング協会監事の古橋理さん(58)は「小学生に焦点を絞って開発していただいたのは非常にありがたい。ホイッスルも付いていて機能的に優れている」と絶賛。「南海トラフ地震に備えて普及していけば」と期待を寄せた。吉沢隆社長は「名前が決まったら、そのまま発売にもっていきたい」と先を見据えた。
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