「20世紀最後の日」のタイムカプセル、開けたら悲劇 子ども1900人分のメッセージが劣化して読めず
川崎市中原区 区制50周年イベントで披露のはずが…
川崎市中原区は16日、2000年に区役所に設置されたタイムカプセルの収納品が劣化し、当時の子どもたちから寄せられた約1900人の「未来へのメッセージ」が判読できないと発表した。9月の区制50周年記念イベントに向けた準備で区職員がカプセルを開封して分かった。屋外で結露や熱の影響を受けたとみられる。
結露や熱の影響か 紙同士がくっついた
カプセルはアルミ製の球状で高さ約1.3メートル。「なかはら世紀越え記念カプセル」として、20世紀最後の日の2000年の大みそか、中原区役所の正面玄関近くに設置された。区制50周年の今年開封することになっていて、区の担当者も「楽しみにしていた」という。
7月末にカプセルを開封。区内の小中高校など30校の小学6年、中学3年、高校3年計約1900人のメッセージ集と、当時流行していた「だんご3兄弟」のCDや厚底ブーツ、時刻表など約80点が出てきた。
ただ学校ごとにつづられたメッセージ集は中の紙同士がくっつき、1枚ずつ判読することはできない。カプセルの製品説明には「減圧してガスを注入することで劣化を防ぐ」とあり、担当者は「当時は良かれと思い選んだのでは。メッセージを本人にお返しできず、申し訳ない」と残念がる。
区制50周年記念イベントは9月23日、中原区新丸子東のグランツリー武蔵小杉で開かれる。「イベントは楽しく前向きに取り組みたい」と担当者。川崎市出身のお笑いコンビ「上々軍団」が司会を務め、同区出身のバンジョー奏者小寺拓実さんらの四重奏「きつねのトンプソン」の演奏などがある。
イベントでもカプセルの収納品の一部を披露するほか、カプセルに収めた人を対象に10月23、24の両日、収納品を中原区役所で公開する。10月21日までの事前申し込みが必要。問い合わせは中原区地域振興課=電話044(744)3324=で受け付けている。
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