1人1台タブレットでデジタルアートに挑戦 千葉市の金沢小で公開授業「絵が苦手な子も自信持って表現」
中谷秀樹 (2022年12月14日付 東京新聞朝刊)
国の「GIGAスクール構想」で、ほとんどの児童生徒に1人1台整備されているタブレット端末の活用法を紹介しようと、千葉市緑区の金沢(かねざわ)小学校で、児童が端末を使ってデジタルアートを学ぶ授業が教育関係者に公開された。
プログラミングアプリで各自が制作
同校が会場だった市教委主催の公開授業研究会の一環。3年4組の児童約30人が7日、図画工作の授業で取り組んだ。この日は、「部屋を着飾ろう」をテーマに、各自がプログラミングの学習アプリで前もって制作したデジタルアートを使用。各自のタブレット端末とプロジェクターを接続し、教室内の天井や壁に投影した。プロジェクターと壁の間に透明傘などの小道具を介在させ、映り方が変化するのを楽しんだ。
投影後は児童が「平らでないところに光を当てて、見た目の感じ方が変わった」「壁に映った現実の影像と、タブレットのカメラで撮影した画像で印象が違った」と意見を発表した。
「アナログとのベストミックス探る」
授業は、名画を使ったデジタルアートの展覧会を企画する「イマーシブミュージアム実行委員会」のプロデューサー野口貴大さん(32)がアドバイザーを務めた。「昔なら絵を描くことが苦手な子が脱落していたところが、今のテクノロジーを使うことで自信を持って表現できる」と利点を紹介。児童の発表が活発だったことに触れ「何となくでなく、どういうふうに作ったか言葉で説明できることが大事。アート教育以外の成長にもつながる」と語る。
同校は市教委から端末活用の研究指定校に選ばれている。担任の塩川祐司教諭(37)は「グループの会話のやりとりなどは端末で共有化できる一方、板書や手書きノートの良さもある。アナログとのベストミックスを探っている」と話した。
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水を掛けるような指摘で申し訳ない。確かに昔ならアナログ絵画が苦手な子が脱落していたかもしれないが、今ならデジタル絵画が苦手な子が脱落するのでは。下手にデジタルとアナログの融合など目指さないで、どちらも別々に体験させれば良いのではないか。
本件について、既に2本の投稿をしているが(どちらも公開されてないが)、無理に誰かを救おうとすると別の誰かが憂き目を見るのが教育の難しい所だ。生徒に得手不得手を自覚させることこそが大事なのである。まず教員が適性を見極め、長所を伸ばすように指導することが理想であろう。塩川氏の試みには正直ピンとこない。何をやっても一定の肯定をされることで、自分の適性をいつまでも把握できない生徒を却って迷わせると思う。
勿論、この場の議論は大歓迎である。
記事で取り上げられた新しい試みは良いと思う。
ただ、気になることもある。劣等感を持つことも大事なのだ。全ての生徒が全ての分野で「これは苦手だ」と感じなくなると、進路選択に支障をきたす。自分の得手不得手を正確に知ることで、得意分野への進路決定が為されるのである。この記事とは逆に、「座学は苦手だが、実技は得意」な生徒が居ても良いではないか。
因みに将棋棋士の藤井聡太氏は美術が大の苦手であったと聞く。彼は自分の得意分野で活躍しているから何の問題もない。苦手克服の努力は尊いが、オールマイティーになることは人生の目的になり得ない。