音漏れが相次いだ英語スピーキングテスト、都教委は音声データ非開示…「他の受験者を識別できるから」との理由に深まる疑念
英語スピーキングテストとは
東京都教委と協定を結んだベネッセコーポレーションが運営。2022年は11月27日に本試験、12月18日に予備試験があり、約7万1000人が受験した。15分間にタブレット端末に表示される8つの問題を見て、イヤホンの付いたマイクに口頭で答える。都立高入試の評価資料として使われ、総合得点1020点中20点を占めた。都教委は2023年度、テストの対象を中学1、2年生にも拡大し、本年度予算に35億円を計上した。
「そんなに他の受験者の声が…?」
「そんなに他の受験者の声が入っていたの?」。大田区の44歳の女性は驚いた。現在都立高1年の長男が昨年11月に受けたテストについて「未加工」の音声データを東京都教育委員会に情報公開請求したら、非開示とされた。理由は「他の受験者の音声が含まれ、特定の個人を識別できる」。個人情報の保護を言うことで、騒がしい環境のなかで試験が行われている実態が図らずも明らかとなった。
スピーキングテストは、タブレット端末に表示される問題を見ながら解答をマイクに吹き込む。会場は高校の教室などを使う。浜佳葉子教育長の都議会答弁によると、受験者の耳には、周囲の音が聞こえにくくなるノイズ音が流れる上、イヤーマフ(防音具)を着けるため、周辺の騒音が「解答に影響を与えることはない」とする。
合否に関わる環境にふわさしいのか
一方で受験者からは「他人の解答が聞こえた」などの声が相次いでいる。スピーキングテストについて考える都議会議員連盟などが調査したところ、音漏れの指摘は166件に上っている。実際のテストと同じ環境での「実証実験」を求める声もある。
テストの解答音声は希望すれば入手できるが、これは受験者本人の音声を機械で抽出したもの。テストを受けた子どもから「隣の人の声がうるさかった」と聞いた新宿区の50歳の保護者も状況を確かめようと未加工の音声を情報公開請求し、非開示とされた。保護者は「入試の合否に関わるテストの環境としてふさわしいとは思えない。改善してほしい」と求めた。
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