小6が教室で実証研究「昼寝で集中力は高まるの?」 算数テストで検証、7か月後の結果は…
ふとした疑問をきっかけにネットで知識を深めるなど自発的に学び、7月と11月に算数のテストと午睡を組み合わせて検証し、「有効だった」とする結果をまとめた。子どもたちは「卒業後、全校に広まってほしい」と期待している。
校長にプレゼン 検証方法も自分たちで
4月中旬の給食の時間、教室の電子黒板(大型画面)に午睡を勧める動画が流れた。「本当に効果があるの?」。興味を持った児童から声が上がった。担任の岡田秀樹教諭(38)は「寝るだけなら、ただの昼寝になってしまう。検証してみてはどうか。校長先生にプレゼンしてからね」とアドバイスした。
検証に積極的な児童を中心に、子どもたちはインターネットで午睡について情報を集めた。学んだ知識を基に検証方法も自分たちで考え、15分間の午睡の前後に、ほぼ同じ難易度の算数の計算と文章題のテスト(制限時間10分)をし、結果を比較することにした。
平均1.17点アップ 満点は0人→8人に
児童らから提案を受けた奈幡(なばた)正校長(59)は歓迎し、「では、実際に午睡ができる時間を考えてみようか」とさらに課題を与えた。「参加をためらっている人には強制はしないでね」とも言い添えた。
黒内小学校は昼に「掃除」「スタディータイム(自主学習)」「昼休み」(各15分)を設けている。児童たちは自主学習の15分間を午睡に当て、その前後の掃除と休み時間にテストができるのではないかと考えた。奈幡校長の許可を得て、7月中旬に1回目の検証を実施。平均点は午睡前に比べ午睡後は1.17点上がり、満点の児童も午睡前のゼロが、午睡後は8人になった。
11月29日の2回目の検証では、クラスの照明を消し、「お休みなさい」の号令で、児童全員が机の上で両腕に頭をうずめた。午睡後のテストでは全員が解き終える時間が、午睡前に比べ約1分短縮した。
「3回目の検証で、正確性を高めたい」
クラスの中には「動画を見ただけで、できるわけないだろう」と、当初は検証に消極的な児童もいたが、クラスメートと活発に意見を交わすうちに、積極的に参加するように変わっていったという。
検証の中心となった2人のうち、関ゆきなさん(11)は「周りの人が協力してくれたからできた」と感謝した。小見川大輝(おみがわたいき)君(12)は「来年も3回目の検証をやりたい。効果の正確性を高めていきたい」と話した。
岡田教諭は「行動力がすごかった。ここまでできるとは思わなかった」と児童たちの頑張りをたたえた。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
生徒たちの発想と行動力が素晴らしいとおもいます。実証実験を認めた学校側も子どもに寄り添う気持ちを感じます。