「あごが落ちるほど旨い」キムチ作りの裏側に潜入【こども記者が行く!おつけもの慶編】
キムチ好き小学生4人が集合
この日のツアーに集まった小学生記者4人は、みんなキムチ好き。小学2年の鹿海佑真さんは「辛いところが好き」だそうです。
まずは工場見学からスタート。皆で専用の服に着替えて、帽子やマスクをつけて準備はばっちり。「あごが落ちるほど旨いキムチ」の秘密を探るツアーに出発です。
工場でいきなり目に入ったのは、大量の白菜。キムチに使う白菜の塩漬け作業から見学します。職人さんが半分に切られた白菜一枚一枚の葉を広げ、丁寧に塩を塗っていきます。
白菜に直接塩、どうして?
案内してくれた土方彰工場長によると、通常スーパーマーケットなどに並んでいるキムチは、先に白菜を細かく切った後、塩水に漬けていくことが多いそうです。
ではなぜここでは塩を直接塗るの? 土方工場長は「野菜は細かく切ると、断面が増えて、そこから水とおいしい風味が出てしまいます。できるだけ切らない状態でキムチを作って、おいしさを残します」と説明しました。こども記者たちは熱心にメモを取っていました。
この日はこども記者だけでなく、保護者も興味津々に質問していました。「1日にどのくらいの白菜を使いますか?」という質問に、土方工場長が「120玉くらいです」と答えると、「おーっ」と歓声が上がりました。「白菜の端はどうしますか?」の質問には「動物園でエサとして使います」と説明しました。
できたてキムチはどんな味?
塩を塗った白菜はざるに入れ、ふたをして一晩おきます。一晩塩漬けした白菜は柔らかくなるそうで、子どもたちも食べてみました。ほんのりしょっぱくておいしい! 鹿海さんは「塩と白菜が混ざって良いバランスだった」と話しました。
次はキムチのもと「ヤンニョム」と塩漬け白菜を混ぜる作業を見学します。土方工場長は、ヤンニョムには唐辛子はもちろん、リンゴや桃のすりおろしも入っていると説明。ヤンニョムと白菜を混ぜた出来たてキムチを子どもたちも食べてみました。「辛い!」と話す子もいれば、「おいしい」と話す子もいました。
ヤンニョム混ぜも手作業
職人さんは手作業でヤンニョムと白菜をなじませていきます。この混ぜる作業ができるのは限られた職人さんだけだそう。職人さんは「白菜の水分量は日によって違います。感覚で量を調整しています」と熟練の技を見せてくれました。
その後はパック詰めの作業も見学しました。小学3年生の内田稀唯さんは「何個くらい作りますか?」と質問。土方工場長は「1日2000~3000個くらいを小分けにしています」と教えてくれました。
ここまで工場見学をしてみて、気付いたのは、全て手作業だということです。「どうして全部手作りなのですか?」との質問に、土方工場長は「おいしいものを作るためです。手で作った方が、おいしいものを作れると思っています」と話しました。内田さんは「機械を使わずにやっていてすごい!」と話しました。
記者もキムチ作りに挑戦
工場見学の後は、渡田新町店の「KEIDELI 八〇八」に移動し、キムチ作りです。
渥美和幸社長は、これまでの「おつけもの慶」の歩みを説明し、「川崎のキムチを世界中に広めていく夢を持って続けてきた」と話しました。
発酵マイスターの渥美朱美さんは、ヤンニョム作りについて解説。工場見学と同様、こだわりの唐辛子を使い、ヤンニョムを作っていきます。「混ぜるときに大事なのは愛情です」と話しました。
子どもたちはヤンニョムを白菜に塗る作業を体験します。白菜の分厚いところにたっぷり塗るのがコツ。こども記者は手際が良く、朱美さんに「大人より上手」と褒められていました。作ったキムチはお土産にします。小学5年の小川雪希さんは「おばあちゃんにあげたい」と話しました。
スペシャルランチもいただきました。子どもたちは「おいしい!」と喜び、特にクリームチーズとキムチを組み合わせたおかずが好評でした。朱美さんは「おいしい物を食べると笑顔になります。笑顔が良いですね」と話しました。
新聞作りへ…追加取材も!
ランチの後は、新聞作りです。メモを見返して印象に残ったことを思い出した後、本文や見出しを書いていきます。
小学4年の奥平恭仁さんは本文から書き始めました。「工場で目に入ったのは大量の白菜」とつづり「長野の高原から来ているそうです」と黙々と書いていきました。
内田さんは「キムチにはフルーツが入っていた!」と見出しをつけました。ヤンニョムにリンゴや桃が入っていることが印象に残ったようです。「リンゴはどこから来ているのですか?」「リンゴはどれくらいの大きさに切っているのですか?」と追加で朱美さんにも質問していました。
新聞はできるところまで完成させました。帰り際、朱美さんは「ますますキムチが好きになった人いる?」と質問。こども記者は全員「はーい!」と答え、満足そうに帰っていきました。
取材のアドバイス役を終えて
普段は入れない工場は興味深かったようで、子どもたちは真剣なまなざしで職人の技を見つめ、熱心にメモを取っていました。「おつけもの慶」の手作りへのこだわりを知り、私もついこども記者と一緒に質問をしてしまいました。
私も記事を書くために取材をしましたが、皆さん自分の思いをしっかり答えてくれました。保護者の方も協力してくださりありがとうございました。記者体験が夏休みの楽しい思い出になったらうれしいです。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい
子供達の一種の社会勉強ですね。今後も続けてほしいです。