1本1万円!? 高級シャーペンが中学生男子に人気です 売れ筋や各メーカーこだわりの最新機能をチェック

中学生男子を中心に人気のシャーペンコーナー=東京都中央区の伊東屋で
火付け役はユーチューバー 限定品に行列
「3000円~1万円台が売れ筋で、2万~3万円台もよく売れる。あこがれの商品を買うため、お年玉やおこづかいをためている子も多いようです」。東京・銀座の文房具店「伊東屋」広報室の担当者は話す。
購買層は中学生男子が中心で、小学生や高校生も目立つ。新型コロナ禍にシャーペンの機能やこだわりを発信するユーチューバーの解説動画が火付け役となり、色や素材、型の違う限定品が発売されると行列ができることもあるという。

数万円台の価格も多い海外メーカーのシャーペン=東京都中央区の伊東屋で
親や祖父母も「これで勉強を頑張ってくれるなら」と、入試の合格祝いや誕生日プレゼントとして財布のひもがゆるみがち。木材の質にこだわった1万円前後の商品や、数万円の海外メーカーの高価格製品も人気を集めている。

各メーカーのこだわりが魅力のシャープペンシル=豊島区の池袋ロフト文具売り場で
ロフト(千代田区)では、昨年前半をピークにブームが落ち着きつつあるという。一昨年から昨年にかけての売り上げは例年の3~4割増。ドイツのメーカー「ステッドラー」の製図用シャーペンをはじめ、ぺんてる(東京都中央区)の芯が自動で繰り出して折れにくいオレンズネロ(定価3300円)などがよく売れた。

ぺんてるのシャーペン「オレンズネロ」や「オレンズAT」など=東京都中央区で
「学校で個性やこだわりを出せる物の一つなのだろう。SNSのレビューが拡散し、さらに熱狂を生んでいる」と、ぺんてる製品戦略部の小林悠馬さん(31)。同社のシャーペン全体の売上本数は増えていないにもかかわらず、平均単価が上がったことで売上額は5年前より26%増えた。「市場規模は拡大している。この熱をこのまま維持させたい」
大量生産できない高価格商品は品薄が続く
三菱鉛筆(品川区)の芯が回転してとがり続ける「クルトガ」シリーズは、大手小売店の売り上げ実績で国内シェアトップ。2008年の発売以降、累計販売本数1億本以上とブームをけん引してきた。

人気で品薄状態が続くクルトガダイブ(右側4本)など三菱鉛筆の「クルトガ」シリーズ=品川区で
中でもノックしなくても芯が出続ける「クルトガダイブ」(定価5500円)は2022年の発売以降、予想を上回る反響で品薄状態が続く。同社商品開発部の西村光貴さん(30)は「求められる機能やニーズは変化するので、常にとらえて開発していきたい」と話した。
高価格帯のシャーペンが希少になるのは、部品点数が多く、大量生産が難しいためだ。中には、構造への好奇心からシャーペンを分解する子どもも少なくない。ただ、メーカー窓口には「元に戻せなくなった」という相談も相次いでいるといい、各社の担当者は「分解しないで」と呼びかけている。
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