「選択的夫婦別姓」が消えた… 政府が自民の慎重派に配慮、原案から後退 「家族の一体感を考慮」の文言は追加
原案は「不平等」と書いていたのに
自民党は今月4日から、内閣第一部会と女性活躍推進特別委員会が合同で計画案を審議。賛成派と慎重派の意見がまとまらず、政府側は修正を3回重ねた。
政府原案では、民法の夫婦同姓規定により96%の女性が結婚に伴い姓を変更している現状や、2015年の最高裁判決の「夫の氏を称することが妻の意思に基づくとしても、意思決定の過程に現実の不平等と力関係が作用している」との指摘を掲載。民法の差別的規定を廃止するよう求める国連女性差別撤廃委員会の勧告にも触れていた。
主語としての「政府」も削除された
修正を重ねた内閣府関係者は「原案はこれまで以上に、踏み込んだ表現をしたつもりだった」としていたが、自民党慎重派の「制度導入ありきで偏りすぎている」との声を考慮。最終案では、2015年最高裁判決や国連女性差別撤廃委員会の勧告に直接触れる記述を削除した。
政府原案からあった「選択的夫婦別姓」の文言も最終案は削除。原案と1回目の修正までは、「政府」を主語とした上で、制度について「必要な対応」をするとしたが、2回目の修正からは主語が削除された。
推進派「後退。このままではだめ」
2回目の修正にあった「選択的夫婦別姓の是非」との文言も、最終的になくなった。「是非」は慎重派の求めで追加されたものだったが、賛成派が「導入を求める世論が高まっており、『是非』を議論する段階ではない」と反発。双方の立場への配慮から最終案では削除された。
15日の会合後、推進派の男性衆院議員は「このままではだめだ。後退したと言われてもしかたがない」と憤りを隠さなかった。慎重派の山谷えり子参院議員は「最終案はそこまで踏み込んでおらず、良かった」。「家族の一体感を考慮」など保守的な文言が加わった点も評価した。
会議終了後、女性活躍推進特別委員会の森雅子委員長は「(党内で)議論が二分され、対立構造があおられて具体的な制度実現に結びついてこなかった経緯がある。前進だ」と強調した。
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