【新連載】深刻化する子どもの視力低下〈窪田良のメディカル・トーク〉

(2025年4月1日付 東京新聞朝刊)
イラスト

イラスト・東茉里奈

スマホの影響よりも大きいのは…

 私は元々日本で10年ほど眼科医をしていましたが、その後米国の大学で最新の眼科研究に従事し、シアトルでバイオ企業を起業しました。最近は近視治療デバイス「クボタグラス」の開発などに注力しています。

 近年、子どもの視力低下が深刻化しています。文部科学省の最新調査によると、視力1.0未満の子どもの割合は過去最高を記録。特に小中学生の近視が増え、2050年には世界人口の半数が近視になると予測されています。

 スマートフォンの普及による目への負担が懸念されています。ただ近視は過去40年間、デジタル機器の登場に関係なく一貫して増加しており、スマホの影響は限定的だと考えられています。近視の増加は世界的にも東アジアで顕著で、受験競争の激化やゲームの普及などにより、屋外活動の減少が近視に大きく影響している可能性が高いと考えられています。

 対策として、子どもに日中の屋外活動を促し、ゲームや長時間の学習など近見(きんけん/近くを見る)作業の時間を適切に管理することが重要です。定期的な眼科検診を受け、視力低下を早期発見することも欠かせません。私は近視を病気と認定し、1日2時間の子どもの外遊びの徹底など社会全体で近視予防対策を行うことを近著「近視は病気です」で訴えています。こちらでは近視を中心に少しずつ目に関するお話をさせていただこうと思っています。

窪田良(くぼた・りょう)

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 1966年生まれ、兵庫県出身。眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO。慶応大医学部を卒業。虎の門病院勤務を経て、米シアトルのワシントン大助教授や慶応大医学部客員教授として活躍。現在は眼科現在は眼科領域で創薬と医療技術の研究開発に取り組む。著書に「近視は病気です」(東洋経済新報社)。本コラムでは、子どもの目が置かれた状況や近視予防対策などの話題を幅広く伝えます。

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