廃校活用で話題の「道の駅保田小学校」に「附属ようちえん」オープン 廃園を再生、カフェやおもちゃショップも
山本哲正 ( 2023年10月24日付 東京新聞朝刊)
過疎化で廃校になった小学校を道の駅にして全国の注目を集めた千葉県鋸南町の「道の駅保田小学校」に隣接して、「附属ようちえん」が今月、“開園”した。2018年9月に廃園になった幼稚園舎を再生した町事業で、集客など道の駅を機能強化。運営する指定管理者の共立ソリューションズは「楽しかった幼稚園時代、小学校時代を思い出す地として親しんでほしい」と来場を呼びかけている。
「懐かしい給食を味わえる」注目され8年
少子高齢化が進み、小学校などが廃校に追い込まれるのは、全国的な社会問題。道の駅保田小は2014年3月に廃校となった鋸南町立保田小学校を転用し、2015年12月に“開校”した。廃校を有効活用したモデルケースとし注目を集め、「懐かしい給食を味わえる」などとメディアでも紹介されてきた。
再スタートを切って8年。利用客は、コロナ禍から回復基調で昨年は約78万人になった。一方で、駐車場の拡張や都市と鋸南町を結ぶ交流施設としての機能強化が課題だった。着目したのが隣接地にあり、過疎化による統廃合で2018年9月に廃園となった町立鋸南幼稚園だった。
宿泊ツアーを計画 移住者も増やしたい
園舎の遊戯室は、すべり台やハンモックなどの遊具を設置して「プレイカフェ」に。地元野菜を使ったスムージーなどを提供し、子どもたちは雨でも遊べる。ほかにも、オリジナルグッズやおもちゃのショップや、コワーキングスペースなどがある。飲食3店舗も加わり、保田小と一体的に食事のジャンルも広がった。
保田小から雨にぬれずに移動できる屋根付き歩道「わっか」に囲まれた「みまもりひろば」では、シーソーなどの遊具を楽しめる。屋外には無料のドッグランや、キャンピングカーで宿泊できる「RVパーク」(有料)もある。
「保田小の人気で『町に来てもらう』流入人口は増えた」と“園長”の大塚克也さん(64)は振り返り、「房総半島台風(2019年)以降に人口減少があり、移住定住人口も増やしたい。ようちえんで地元の人と触れ合ってもらい、宿泊と鋸山観光をセットにしたツアーを計画するなど、地域と継続的に関わる関係人口を増やしていきたい」と意気込んでいる。
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