子どもの送迎、駅前でOK 柏駅前にこども園と連携「送迎保育ステーション」オープン
駅周辺に園設置が難しい代替策
バスで認定こども園と結び、園児を送迎。保護者は送りも迎えも駅前で済む。年長の5歳児を育てる太田敦子さん(42)は、これまで、子どもを車で園に送り届けた後に職場に向かう毎日。出勤に約1時間かかったといい、「本当に助かる」と事業のスタートを歓迎する。
連携する認定こども園は「手賀の丘幼稚園・保育園」と「柏みどりこども園」。いずれも柏駅からバスで15~20分の距離にある。
柏市保育運営課によると、柏駅周辺の繁華街には保育園や認定こども園を設置する十分なスペースがない。
0~2歳児を対象に、狭い面積でも運営できる小規模認可保育事業所のみが開設。このため、3歳児以上になると預かってもらえる園が少ないという。
園の先生がバスに同乗して保育
午前7~8時にステーションまで子どもを連れて行き、帰りは午後4~7時に引き取る。使用料は月額1000円で、午後6時以降は延長利用料として100円を払う。バスや認定こども園の利用料は別途必要だ。
ステーションには3部屋あり、広さは50~60平方メートル。定員はそれぞれ24人。なじみの先生がバスに同乗し、引き続きステーションで保育に当たることから、離れた場所にある園と位置付け、柏市は「サテライト(衛星)方式」と呼ぶ。
柏市はもう1つの認定こども園とステーションの利用について協議を進めており、順調にいけば7月にもスタートできるという。
「TeToTe」は、1階の遊びの広場と乳幼児一時預かり施設が4月にスタート。2階の妊娠子育て相談センターなどはゴールデンウイーク前後に利用を開始する。4階には子ども向けの図書スペース、5階には中高生世代の居場所を年内にも整備する予定。17日のオープンセレモニーで太田和美市長は「駅前に分散していた子育て施設を集約することで、妊娠から子育てまで一貫してサポートできる。子育て支援のシンボル、地域のにぎわいの場として根付いていけば」と力を込めた。
市議会で費用対効果に疑問の声
同様のシステムを先行導入した自治体が千葉県内にある。つくばエクスプレス(TX)の影響で今も人口が増えている流山市だ。2007年7月に流山おおたかの森駅東口に、2008年7月には南流山駅近くに送迎保育ステーションを開設した。
ただ、柏市とは異なり、ステーションには専属の保育士らがいて、子どもたちを保育している。
現在、保育園と認定こども園計59園が送迎の対象になっている。市内にある園全体の8割をカバーする。利用者は3月現在で121人。最大で224人まで増えたが、新型コロナで減少した。また、駅周辺で保育園の整備が進み、利用しなくても済む子どもが増えたことも一因になっている。
ステーションの運営とバスの運行は市が外部委託する。バスは最大でおおたかの森が朝夕5便ずつ、南流山は2便ずつ運行する。年間1億円弱の事業費がかかり、市議会からは費用対効果について疑問視する声も上がっている。
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