「食べることをたくさん知る日に」 園児たちが雑穀米おにぎりづくりに挑戦 お茶の水女子大こども園で
国産の雑穀米「繊細な味覚育んで」
今回の会は、雑穀米販売のベストアメニティ(福岡県)が食育への取り組みを縁にこども園に国産雑穀米を提供することになり、開催が決まりました。背景には、園児と同年代の孫を育てるグループ代表の内田弘さんの「健康に良い食物で、子ども期の繊細な味覚を育んでほしい」との願いがありました。
5歳児クラスの子どもたちを前に、お茶の水女子大特任教授の宮里暁美さんが「食べることをたくさん知る日にしましょう」と語りかけました。
内田さんは、自身が体調を崩して入院したことがきっかけで、食生活の大切さに気づいた経験を紹介。雑穀の栄養を知り、その魅力を多くの人に伝えたいという思いから、国産原料にこだわった雑穀米を販売することになったといいます。
「家族など大切な人には健康であってほしい。体に良い物をしっかり食べて元気になりましょう」と呼びかけました。アワやキビを作る国内農家を取り巻く環境は厳しく、農業の再生にも力を入れていることも説明しました。
子どもたちは実際に調理に挑戦。お米をとぎ、雑穀を混ぜて炊きあがりを待ちました。他にも、すまし汁に入れるため、ダイコンやネギ、ニンジンを包丁で切る作業をしました。あらかじめ勉強してきた子が、雑穀の種類をポスターのようにまとめた紙も張られていました。
「おいしくなあれ」心をこめて握る
雑穀米が炊飯器で炊きあがると、とっても良い香りが広がりました。内田さんは、おにぎりを握るコツとして「『おいしくなあれ』と言って心を込めて握るとおいしくなります」とアドバイス。普段はラップに包んだり、おにぎり型に入れて作ったりすることの多いという子どもも、「熱い!」「なんかくすぐったいね」と顔を見合わせながら握っていました。
そして待ちに待った食事の時間。「おいしい!」。あちこちで声が上がりました。
佐野千花さん(5)は雑穀米で握ったおにぎりを「いつもより、もちもちしておいしかった」と満足そう。藤田千景さん(5)も「また食べたいな」とほほえみました。
こども園では、今後も内田さんの協力を得て、みそ作りなどに挑戦する予定です。