俳優・足立梨花さん 私が中3のとき生まれた弟に、お願いしたいこと

五十住和樹 (2019年9月1日付 東京新聞朝刊)

家族のこと話そう

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母や弟について話す女優の足立梨花さん=東京都目黒区で

お母さんの寂しさを紛らわせるため!?

 小学6年の弟は、私がホリプロタレントスカウトキャラバンを受けていた時に生まれました。私が中学3年の時です。私が実家から離れて1人で上京、お母さん(48)の寂しさを紛らわせるために生まれてきてくれたのかな。すごく不思議に思いました。

 弟がお母さんと東京に来るのは夏休みくらい。会うたびに大きくなってると思いますが、精神年齢が変わってないから「こいつ大丈夫かな」って見てます。すごいお母さんっ子で、私のことも大好き。「ねえねえねえ」と抱きついてくる。もっと大人になれってずっと言ってるんですけど、男の子ってそうなのかな。

アニメ好きは母譲り きっかけはコナン

 私と同じでアニメ好きなので、(東京・池袋の)アニメ専門店に連れて行ったりします。アニメは非日常を味わえるからリフレッシュできるし、面白い。入り込めます。お母さんが少女漫画好き。私のアニメ好きは親から受け継いだと思います。

 小学校低学年のころ、児童館で借りた漫画「名探偵コナン」が楽しくて、私はアニメを見るようになりました。ゴールデンウイークに映画をやりますが、「ドラえもん」とかだと途中で寝ちゃうお母さんが、コナンは寝ずに全部見て「面白い」って、はまったんです。今も、公開日初日に弟と朝イチで見に行くくらい好きなんです。

大好きな唐揚げ 料理の基礎も母から

 子ども用の包丁を持って、幼稚園のころからお母さんと台所に立ちました。私にはそれが当たり前だった。料理の基礎はそこで覚えた感じはありますね。今、ネットのレシピを見ただけでつくれるのは、そのおかげかな。

 お母さんの料理で好きなのは唐揚げ。手羽中をにんにく醤油(じょうゆ)に漬けて。おいしいですよ。クリスマスや誕生日に「何が食べたい?」って聞かれたら、だいたいそれですね。今は、友だちが遊びに来た時、私もたまに振る舞います。

親から学んだ「やるなら覚悟をもって」

 実家では「暗くなるまでに帰る」という門限があった。友だちと泊まりで何かするのもダメ。上京して寮に入りましたが、自由な生活が楽しくてホームシックにはならなかった。お母さんの方が寂しがって、電話やメールがどんどん来て。お願いだからちょっとほっといてよ、みたいな気持ちになりました。

 でも親から勉強しろって厳しく言われたことはなく、習い事も「やるのはいいけど、やめるなよ」という姿勢でした。やるなら覚悟をもって、ということ。だから、ちゃんと先を考えられるような子どもにはなってたのかな。

 お母さんには健康で笑顔でいてほしい。弟は「お母さんを守ってあげる」優しさを持ち続けてほしいと思います。

足立梨花(あだち・りか)

 1992年、長崎県生まれ。三重県菰野町育ち。中学3年の時にタレントスカウトキャラバンのグランプリに選ばれデビュー。ドラマ「サギデカ」(NHK)に出演中、「土曜スタジオパーク」(同)で司会も務める。

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