川崎市は公園でボール遊びOKなのに、「禁止」看板のなぞ 子どもたちから集まる「禁止しないで」の声 

北條香子 (2026年1月18日付 東京新聞朝刊)
 公園でのボール遊びが原則として認められている川崎市に、子どもたちから「ボール遊びを禁止しないで」と声が寄せられている。認められているのに「禁止しないで」とはおかしな話だ。首をかしげつつ、取材してみると…。
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ボール遊び禁止と読み取れる看板が設置された渡田新町公園(川崎市提供)

禁止じゃないのに「サッカー・野球禁止」

 市みどりの管理課の担当者は「もともと公園は自由利用が原則。軟らかいボールを使ったパス回しや、キャッチボールは禁止していない」と話す。一方、市の「子ども・若者の“声”募集箱」には、「公園で思いっきりボール遊びがしたい」「公園でボール遊びを禁止しないでほしい」といった意見が、2022年度に14件、2023年度30件、2024年度10件寄せられたという。

 影響を与えているとみられるのが、「野球やサッカーをするのはやめましょう」「近所の方、他の公園利用者に迷惑なボール遊びは禁止です」などと書かれた看板の存在だ。設置時期は不明だが、各区の道路公園センターによるものだという。

 背景には、公園の近隣住民の要望がある。硬式球やバットを使った野球で、家のガラスを割られる、車を傷つけられる等の被害報告や、サッカーの練習でフェンスにボールをぶつける音への苦情、「危なくて小さな子どもが遊べない」といった声を受け、市の2020年度の調査では、市内の公園約1200カ所のうち、約350カ所に禁止看板が設置されていた。

ボール遊びができる前提で注意を呼びかける下平間春風公園の看板(川崎市提供)

 市みどりの管理課の担当者は「看板の厳しい表現で『すべてのボール遊びが禁止』と誤解を招き、のびのびとボール遊びをすることもできなくなっている」と見解を示す。市は2020年度以降、「ボールをフェンスや壁にぶつけないように遊びましょう」「早朝・夜間のボール遊びは、近所に迷惑をかけるのでやめましょう」「ボール遊びは、まわりの迷惑にならないように注意して、ゆずりあって行いましょう」と、ボール遊びができることを前提とした表現の看板に更新を進めている。

近隣住民へ理解を促しつつ看板を更新中

 だが禁止看板は2024年度末時点で約260カ所に残っており、昨年12月の市議会では那須野純花(あやか)議員(川崎・維新)が「看板の更新が進まず、依然として禁止表記が残っていることで、市民の正しい理解を妨げている」と指摘。河合征生建設緑政局長は「(看板撤去への)地域の理解を十分に得ることが難しく、慎重に対応している」と答えた。

 市みどりの管理課の担当者は「このままでいいとは思っていない。ボール遊びのマナー向上を働きかけつつ、周辺住民にも理解を促し、みんなが公園を楽しく使えるようにしていきたい」としている。

元記事:東京新聞デジタル 2026年1月18日

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