食品企業が子ども向けに無料提供や割引 休校による負担軽減を支援 親子連れ集客したい思惑も 

嶋村光希子 (2020年3月19日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナウイルスの感染拡大による小中学校の臨時休校を受けて、食品を扱う企業が子どもたちに無料や割引価格で食事を提供する取り組みが広がっている。親らは食事を準備する負担を軽減できる一方、企業側には自粛ムードにより来店客が激減する外食産業で、親子連れで集客したいという思惑ものぞく。 
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無料提供のチョコレート味スイーツを受け取る来店客の子ども(左)=東京都杉並区のモスバーガークイーンズ伊勢丹杉並桃井店で

モスバーガー 子ども向けセットに無料でスイーツ

 モスバーガーは18~31日、子ども向けセットメニューを注文した人にチョコ味のスイーツを無料で提供する。東京都杉並区のモスバーガークイーンズ伊勢丹杉並桃井店を18日に、家族7人で訪れた山本小絵さん(43)は「普段外食を控えているが、このサービスはありがたい」と話す。

 モスバーガーでは自粛ムードから、持ち帰りや宅配、ドライブスルーが伸びる一方、商業施設内の店舗では3月の売り上げが約1割減少した。広報担当者は「家にこもっている子どもたちの外出のきっかけになり、食を楽しんでもらえたら」と話す。

吉野家は牛丼割引、ローソンのおにぎり提供も希望殺到

 吉野家は今月31日まで、12歳以下の子向けの持ち帰り牛丼で、並盛りを80円引きで販売する。子が同伴しなくても、申し出れば来店客1人につき3食まで割引価格で買える。

 ローソンは全国の学童保育施設の昼食向けに、おにぎりを無償で提供。当初は3万個の予定で募集したところ希望が多く、提供したのは13日時点で55万7000個に増えた。おにぎりの費用をはじめ、施設に渡しに行く本部社員の人手など負担は大きいが「お礼の色紙や手紙も届き、社員のモチベーション向上にもつながる」と語る。

 居酒屋のワタミは、弁当の宅配事業で、小中高生を対象に宅配経費のみで弁当を届けた。50万件の計画のところに、2日間で400万件の問い合わせがあった。4月24日までは、子育て中の家庭向けの新たな割引サービスを展開する。

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