GW、子どもはどう過ごせばいい? 教育や暮らしに詳しい4人に聞きました ”3遅”には注意! 

福沢英里、稲熊美樹、世古紘子、諏訪慧 (2020年4月28日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナウイルス感染症の拡大で外出自粛を求められる異例の大型連休が始まった。外出もままならない中、子どもたちはどのように過ごせばいいのか、親はどう向き合うべきなのか。教育や暮らしに詳しい4人に聞いた。

養護教諭 すぎむらなおみさん 「3密」だけじゃなく「3遅」にも注意

養護教諭 すぎむらなおみさん

 休校期間が長くなり、在宅がつらくなってきた方も多いと思います。「密閉、密集、密接」の「3密」は、感染拡大の要因として注意喚起されています。

 子どもたちにとっては「遅寝、遅起き、遅ご飯」の「3遅」も、生活習慣を乱して免疫力を低下させる要因となります。まずは体を動かして、早く寝る習慣を取り戻しましょう。

 近くの公園を走るのはいかがでしょう。サイクリングにも適した季節になりました。家族で運動量を競うのも楽しいかもしれません。すれ違う人すら不安な場合は、家の前で縄跳びやゴム跳びを。キャッチボールも、いろんなボールで試しておけば、学校が再開したときに球技で脚光を浴びるかも。

 家から出たくないなら、動画を見ながらトレーニング。特に体幹を鍛える動きはバランスが難しく、最初、あまりのできなさに家族で笑いが起きそうです。続けていればできるようになりますから、達成感は大きいはず。みんなでコロナ休校を乗り切りましょう。

教育評論家 石田勝紀さん(51) 時間割のようにスケジュールを立てて

教育評論家 石田勝紀さん

 新型コロナウイルスの感染拡大は、みんなが自立しなければいけないということを気付かせてくれました。学校への依存をやめ、自立するよい機会だと捉えてみませんか。

 家庭でも時間割のようなスケジュールを立てるのがいいと思います。いつ何をやるか、決めないとなかなか動けません。食事作りは家庭科、散歩は体育と置き換えて。ポイント制にしたり、シールを貼って可視化したり、遊びの要素を取り入れて楽しみましょう。

 ただ、勉強を何時間もするのは難しいですね。最低限の課題をやったら、ゲームでも読書でも、何かに没頭してもよいのでは。一日中ゲームばかりでは心配かもしれませんが、子ども自身が「やばい」と気付くでしょう。何かに没頭できるということは、勉強にも没頭する力があるということ。無理やり何かをしても、マイナスの気持ちが募るだけです。

 何より、親がイライラしないことが大切。日常の中に楽しみを見つけてください。

愛知・寂光院山主 松平実胤(じついん)さん(73) 家庭で役割分担を決めてみよう

愛知・寂光院山主 松平実胤(じついん)さん

 2人の孫はそれぞれ入園、入学の年です。今後の見通しが立たないのは心配ですが、休校中に家庭で役割分担を決めるきっかけとしてはどうでしょうか。

 私の家では配役表を作りました。お風呂を洗う人、お茶わんを洗って拭く人というように、約束事を決めて家族で助け合えば、子どもも役に立てて、うれしい気持ちになるでしょう。学校の時間割が分かるなら、勉強の時間を習慣づけると、学校が再開しても安心です。

 人類の歴史を振り返れば、感染症も自然災害も必ず乗り越えてきました。今は大変な状況でも、子どもには「大丈夫」と伝えてほしいです。孤独を感じさせないように、つながりを意識してほしいと思います。膝に乗せて、絵本を読み聞かせるのもよいでしょう。お互いのぬくもりを感じられれば、不安も和らぎます。

 今はなかなか出掛けられませんが、家の窓から周りの景色を眺めるだけでも、ワクワクしますよ。視覚から四季の移ろいを感じてみましょう。

河合塾講師 宮下卓也さん(39) 授業と同じ1日5時間は机に向かって

河合塾講師 宮下卓也さん

 初めての大学入学共通テストまで9カ月を切りました。

 共通テストの試行調査では、英語問題の単語数が大学入試センター試験と比べて約1000語増えました。限られた時間で長文を読み解く力が重要です。

 長文読解では、一文ずつ的確に捉えることが欠かせません。主語と動詞を把握し、前置詞や関係代名詞などが導く「句」や「節」を理解することが必要。単語だけでなく、文法や語法などをバランス良く鍛えないと解けません。高校で配られた教科書や副教材の復習に取り組んでください。

 共通テストでは、リスニングの配点が増します。英文を見ながら音声を聞き、聞き取れなかった部分に印を付けて音読するのがおすすめです。声に出した方が身に付きますよ。

 休校でなければ1日5時間は高校で授業を受けているので、英語を含め、最低でも同じ時間は机に向かうべきでしょう。休校中の取り組み次第で、学力に差がつくのは間違いありません。日々の積み重ねが自信になります。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年4月28日

0

なるほど!

0

グッときた

0

もやもや...

0

もっと
知りたい

あなたへのおすすめ

PageTopへ