〈えほん〉「じべた」文・谷川俊太郎 絵・黒田征太郎

(2021年4月16日付 東京新聞朝刊)
写真

(長壁綾子撮影)

 じべたは大昔からじべた。時々、空がうらやましくなるが、花が咲くと空のことを忘れてしまう。雨が降り、ぬかるみになることもある。機械が来て、大きな穴を開け、高いビルを建てることもある。だけど、じべたは…。

 5年前の熊本地震で被災した書店が東日本大震災10年に合わせて出版した絵本。谷川俊太郎の詩と土の香りが湧いてくるような黒田征太郎の絵が響き合う。

 自然災害が多発する中でも、人の営みは続き、じべたは生き続ける。大地に心寄せる時間を持ちたくなる。

 1650円。橙書店=電話096(355)1276。

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