ひとり親世帯や一人暮らしの若者においしい食材を 所沢の「みかた」 地元企業から生鮮食品や洋菓子
外遊びのボランティアから広がって
2011年、東京都内の広告代理店から編集プロダクションに転職し、時間がつくれるようになったのを機に、都内の児童養護施設で中学3年生の学習支援を受け持ったのが、上杉さんのボランティア活動の始まりだった。
それから、「ひとり親世帯の子どもは、アウトドアで遊ぶ機会が圧倒的に少ない」と気付き、高校時代の仲間らとひとり親の子どもたちに川遊びやバーベキューなどの外遊びを提供するボランティア団体「オレンジフラッグ」も始めた。
2015年に所沢市の店舗経営者をインタビュー形式で紹介するネットメディア「Rita」を立ち上げた。人脈を広げているうちに地元の店舗経営者に「機会があればコロナ禍で困っている人を助けたい」と考えている人が多いことを知り、地元の店とひとり親世帯などをつなぐ「みかた」の立ち上げを思い付いた。
レトルトやスナックより生鮮食品を
埼玉県内で活動が広がっているフードパントリーではレトルト食品やスナック菓子、缶詰などが多く、生鮮食品の提供が比較的少ないことから、ウズラの卵の「モトキ」やファーマーズマーケットなどを手がける「Corot(コロット)」、洋菓子店「Emile(エミール)」など地元企業の協力を得て、5月から新所沢駅東口の居酒屋「まんまる」などでの配布を始めた。
「活動をしていると、単純に『ありがとう』と言ってもらえる。それが好きだし、困っている人がいるのを知ってしまうと、助けないという選択肢はない」と上杉さん。必要と思える人には社会福祉協議会など、公的機関への相談も勧める。「みかた」への参加は「Rita」のホームページの登録フォームから利用申し込みが必要。みかたに提供してくれる店舗や企業も募集中。問い合わせは「 info@rita-ms.com 」へのメールで受け付けている。
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