地球を守るために行動しよう!気候変動と生物多様性を学んだよ【こども記者が行く!環境再生保全機構編】

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参加したこども記者たち=中日新聞東京本社で

東京新聞の子育てウェブメディア「東京すくすく」と独立行政法人環境再生保全機構(ERCA:エルカ)による記者体験イベント「こども記者が行く!気候変動と生物多様性について考えよう!~地球を守ろう!自然を守ろう!~私たちのトゥモロー(Tomorrow)~」が8月21日、東京都千代田区の東京新聞本社1階ホールで行われました。小学生と保護者ら13組が、環境問題について理解を深め、新聞にまとめました。

ドキドキわくわくを見つけよう

会場に集まった小学生は「こども記者」の腕章を着けて準備はばっちり。まずは、新聞開発室の木戸真穂記者が、取材のこつを伝授しました。

記者として、話を聞くときに意識することは2つ。「心が動いたこと=ドキドキわくわく」を見つけることと、どんどん質問すること。木戸記者が「記者は、人に話を聞くのが仕事です。どんどんメモをして自分だけの新聞を作っていきましょう」と呼びかけました。

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新聞を作る際のポイントなどについて話す木戸真穂記者(左)

アイスホッケーのスティック!?

その後はエルカ職員の柚木瑠月さんと山野佐和さんの講義に移ります。まずは、SDGs=持続可能な開発目標について紹介。17の目標のうち、今日の講義で説明するのは「目標13:気候変動に具体的な対策を」「目標14:海の豊かさを守ろう」「目標15:陸の豊かさも守ろう」です。

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SDGsなどについて話す環境再生保全機構の柚木瑠月さん(左)と山野佐和さん

まずは気候変動の説明から。とっても暑かった今年の夏。暑い日が続くのは、「温室効果ガス」と呼ばれる空気中の成分が原因です。「特に二酸化炭素が増えると、地球の気温に大きな影響を与えてしまいます」と柚木さん。私たちの生活の中でも、電気の使いすぎや、車の使用で、二酸化炭素を出しているそうです。

世界の平均気温は19世紀以降、急激に上昇しています。グラフにすると、突然右肩上がりになっている様子が、アイスホッケーのスティックを横にしたような形に見えます。ここで、「ホッケースティックマン」ことエルカ職員の武田悠我さんが登場し、アイスホッケーのスティックを見せて回りました。

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世界の平均気温の変化についてホッケーのスティックで表現するホッケースティックマン

人気のあの動物も絶滅危惧種!

次は、生物多様性についてです。山野さんは「生物多様性とは、さまざまな生き物がいて、それぞれがつながりあっている状態のことをいいます」と説明。「この生物多様性がなぜ重要なのか。それは私たち人間の暮らしが、生物多様性の恵みによって支えられているからです」と話しました。

植物が光合成によって酸素を生み出したり、野菜や魚や肉などが私たちの食料となったり、生物多様性は私たちに、恩恵をもたらしてくれています。

生物多様性の大切さを知ったところで、スペシャルゲストが登場!

いきもの守り隊・隊長の「生物守(せいぶつ・まもる)さん」こと岡本大さんです。

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生物多様性などについて話すいきもの守り隊隊長の生物守さん(右)

生物さんは、世界では4万7000種以上の生き物に絶滅の危惧があると説明。おなじみのレッサーパンダや、ラッコも、絶滅危惧種だと紹介しました。

さらに、やせたホッキョクグマの写真を見せ「地球温暖化の影響で北極圏の環境が悪くなると、食料が少なくなり、このホッキョクグマのようにガリガリにやせ細ってしまいます」と話しました。

特定外来生物はどれかな?

生物多様性が失われる原因の一つとして、外来種による生態系のバランス崩壊が挙げられます。

そこで、より理解を深めるためのワークショップです。

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ワークショップでうちわにシールを貼る参加者ら

生き物の絵が描かれたステッカーを、特定外来生物と在来生物に分けて台紙に貼っていきます。里地里山の風景が描かれた台紙にもステッカーを貼っていきました。小学3年の鹿海佑真さんは、アメリカザリガニと、アカミミガメを外来生物に分類しました。「アメリカザリガニはアメリカっていう名前がついているし、アカミミガメは日本にいなさそうな色をしている」と話しました。

いよいよ新聞作り!

そして、いよいよ新聞作りです。こども記者の皆さんはメモやスライドを見返して、保護者と相談しながら新聞を作っていました。エルカ職員に熱心に追加取材する子もいました。

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熱心にオリジナル新聞を作る参加者

小学3年、西泰生さんは「生物多様性って何?」という見出しで新聞を作成。地球温暖化の影響で痩せ細ったシロクマの写真に衝撃を受けたそうです。自身にもできることとして「エアコンを使いすぎない」と教えてくれました。

小学3年の山本せりさんは「未来はいまで変わる」という見出しで新聞を作りました。本日の講義で、地球温暖化が進むと「地球には住めなくなるかもしれない」と危機感を抱きました。新聞では、CO2の影響で、生態系が崩れたり、干ばつが起こったりすることを指摘し「それを止めるために、今行動すると、未来が変わるかもしれません」とまとめました。

小学4年の佐藤望優(みゆ)さんは「SDGs目標達成あと5年」という見出しで新聞を作りました。2025年、日本はSDGsの達成度で、167カ国中19位だったことを知り「低いなと思った」そうです。「この気候危機に立ち向かうために行動したい」と編集後記にまとめ、具体的には「電気を消したり、リサイクルをしたりしたい」と話しました。

小学3年の鹿海佑真さんは「絶滅危惧種は増えている」という見出しで新聞を作りました。世界では4万7000種以上の生物に絶滅の危惧があるという説明を受け、「思ったより多い」と衝撃を受けたそうです。「人間が環境を大切にしなきゃと思った」と話し、未来のために「水道の水を出しっぱなしにしない、物を残さないようにしたい」と決意を語ってくれました。

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完成した新聞と記念撮影するこども記者ら

取材のアドバイス役を終えて

皆さん、エルカの人の講義に熱心にメモを取り、環境問題について考える良い機会となったようでした。また「電気を消したり、リサイクルをしたりしたい」など、環境を守るために自身にできることを考えてくれて、頼もしかったです。私も、電気を大切にするなど、自分にできることから取り組んでいこうと思います。こども記者の皆さん、お疲れさまでした。

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