受験の朝は交通機関トラブルに注意 降雪、事故… 転ばぬ先の準備と心構えは?
昨年2月には停電 大学側が開始を繰り下げ
「電車が止まった。試験に間に合わない」。国公立大2次試験の初日だった昨年2月25日、東京都内で停電が発生。JR中央線・総武線が約4時間にわたり運転を見合わせ、受験生の足を直撃した。
沿線の一橋大や東京学芸大が試験開始を1時間繰り下げた一方、東京大を含む多くの大学が遅れた受験生への個別対応を取った。
神奈川県横須賀市の県立保健福祉大も個別対応した大学の一つ。試験開始1時間半前、受験票送付時に伝えていた通り、大学のホームページ(HP)とツイッターで、どういう対応を取ればよいか発信した。
時間の余裕を持ち、迂回ルートを調べておく
遅延証明は原則必要としながらも「発行に時間がかかる場合は、取得せず速やかに大学に向かってください。必要な措置を講じますので落ち着いて行動してください」との内容だった。
保護者を通じて受験生1人から大学に「間に合わないかも」と電話があり、担当者は「遅延を把握しているので大丈夫」と伝えた。この受験生は迂回(うかい)ルートを利用して午前9時30分の試験開始前に到着できた。
同大入試担当の森宏太さんは「大学として必要な措置は取るが、遅れると受験生自身が落ち着かないと思う。余裕を持って会場に向かう、迂回できる交通経路を確認しておくなど、自ら備えてほしい」とも話す。
余裕あればリハーサル 1時間前到着を目安に
大手予備校・河合塾(名古屋市)の広報担当岩井達(とおる)さんは「会場までのルート確認を念入りに。電車は乗り換えの確認はもちろん、リスクを減らすために乗り換え自体が少ない経路を選ぶのも大事」と助言する。
新宿や渋谷など構造が複雑なターミナル駅では、利用する改札も含めた乗り換え経路を調べておく。工事中の駅は乗り換え経路が変わっている場合がある。駅のHPなどで最新情報を確認する。
試験日まで日にちの余裕があれば、会場まで実際に行くことを勧める。岩井さんは「地図では分からない情報も分かる。坂道があれば『雪が降ったら滑り止め付きの靴を履こう』とイメージできる」と話す。同じ大学の別キャンパス、似た名前の別大学へ行ってしまった受験生もいる。乗り換えミスなども見越し、会場に1時間前に到着するよう逆算して出発したい。
遅延や運休など想定できない交通トラブルに遭遇することもある。個別入試は学校ごとに対応が異なる。事前に緊急時の連絡先や対応を大学HPや入試要項で確認しておく。遅延証明が必要な場合は、遅延した路線の降車駅でもらえる。
「地方より、自宅からの受験生が油断しがち」
18、19日はセンター試験。大学入試センターは「繰り下げ対応をすることがあるので、必ず試験場に向かって。受験票の『問い合わせ大学』欄にある試験場の連絡先にも必ず電話を」と話す。
前述の森さんは「地方からではなく、自宅から来る受験生こそ『間に合うように行けばいい』と油断しがち」と指摘する。
見守る親は、受験生が自分で万全の準備を整えられるよう、当日起こり得るアクシデントを伝えて注意喚起したい。
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