つくろう!子ども食堂 埼玉・川口で高校・大学生向けの講座がスタート
全国に3000カ所 3年で10倍に増えた
講座を企画したのは、子どもの居場所づくりに詳しい東洋大ライフデザイン学部助教の関屋光泰(みつひろ)さん(45)と、ボランティアグループの川口こども食堂代表の佐藤匡史(まさし)さん(46)。子ども食堂づくりを後押しする県福祉部が協力している。
全3部から成り、今回開かれた第1部では「子ども食堂『超』入門講座」と銘打ち、歴史や特徴、意義を説明。子どもの貧困などを背景として、関屋さんによると、最新調査では全国に2500~3000カ所に上ると推計され、3年間でおよそ10倍に増加したという。
困窮家庭の子が入りやすい雰囲気づくり
高校生や大学生ら若い世代が子ども食堂の担い手となる利点について、関屋さんは「集まってくる子どもと年代が近いので、等身大で双方向の関わりをつくりやすい。子どもの現実を見ながら自らも学び、成長できると思う」と言う。
佐藤さんらが手掛ける子ども食堂では、パイロットや医師、消防士、電車の運転士といった第一線のプロを招き、仕事を紹介してもらう取り組みを導入している。「誰でも参加できるイベントを取り入れることで、困窮家庭の子どもが紛れ込みやすい雰囲気をつくっている」と語った。
5月25日に予定される第2部「実践講座(フィールドワーク)」では、佐藤さんらが川口中央福音自由教会(同市上青木六)で定期的に運営する「川口こどもホープ食堂」の現場を見学、体験。第3部「立ち上げ講座」として6月から子ども食堂の運営に向けて構想を練り、動きだす。
子どもが集まり食事する、だけじゃない
参加者は意欲的だ。
社会福祉を学ぶ大学1年の天山果南(あまやまかなん)さん(19)は「子ども食堂とは、子どもが集まって食事をする場所と思っていたが、地域の人々が集まって何か物事を成し遂げる場所と分かった。一人一人の居場所のあるコミュニティーづくりに関心があるので、子ども食堂の立ち上げは良い勉強の機会になる」と期待を込める。
「沖縄県の(未就学児の)親の多くがランドセルを買えないという新聞記事を読み、子どもの貧困問題を知った」と話すのは、高校3年でボランティア部に所属する佐甲かほ子さん(17)。「大人の立場も子どもの立場も分かる10代の視点から、おしゃれで、流行に乗り、とっつきやすい地域共生の子ども食堂を運営したい」と意気込んでいる。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい