歌っても立ち上がってもOK! じっとしているのが苦手な子のためのクリスマスコンサート、川崎市で開催

渡部穣 (2023年12月12日付 東京新聞朝刊)
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小さな子どもたちは目の前で演奏される音楽を楽しんだ=いずれも川崎市中原区で

 発達障害などの理由で、落ち着いて座っていることが苦手な子どもたちのための「音楽の魔法コンサート マジック・クリスマス」が9日、川崎市中原区の市総合自治会館ホールで開かれた。楽団の目の前にシートが敷かれた観客席が設けられ、間近で生の演奏を楽しむことができ、演奏中に歌ったり立ち上がって踊ったりしてもOK。日ごろコンサートに連れて行きたくても遠慮してしまうという保護者も一緒に楽しむ機会となった。

赤ちゃんも、小さな子も、自閉症の子も

 赤ちゃんや小さな子どもたちの姿も多く、定員100人の会場は満席。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の「花のワルツ」のほか、ドビュッシーの「星の夜」、クリスマスソングなどこの時季らしいプログラムで、子どもたちは音楽に合わせて体を揺らしたり、おしゃべりしたりしながら楽しんだ。

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ファゴット奏者の近くで音を楽しむ女の子(左)

 自閉症がある小学6年の息子と参加した母親は「途中で泣いたり騒いだりすることもあり、自閉症の子どもにとってコンサートは敷居が高い。これまでに何回か参加し、こういう場に慣れることができて本当にありがたい」と話す。

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子どもたちは演奏の間もじっとしている必要はない

すべての子に本物の音楽に触れてほしい

 10カ月の純怜ちゃんと訪れた高橋香奈子さん、雄介さん夫妻は「演奏中も好きなように動き回れる本格的なコンサートはありがたい。子どもは飽きずに最後まで楽しめたし、親も一緒に楽しめた」と笑顔。晴ちゃん(3)と快ちゃん(1)と参加した永谷綾さん、圭さん夫妻も「本格的なコンサートが気楽に楽しめるなんてすばらしい。次回もぜひ参加したい」と喜んだ。

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バイオリンの演奏を楽しむ子ども

 小学4年の平井愛莉さん(10)は「テレビとかと違って生は迫力がある。本物はすごい」と話した。

 コンサートは、演奏家グループ「Kids Music Community(キッズ・ミュージック・コミュニティー)」が2018年から開いている。代表の蛭子明子(さやこ)さんは「すべての子どもにできるだけ本物の音楽に触れてほしい」と話す。

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ピアノを体験する子どもと家族

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年12月12日

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