出産前でも仕事と育児の”両立不安”92.7% 「先輩を見て絶望的な気持ちに…」
「待機児童問題」「夫の協力を得づらい」
この調査は「両立不安」という言葉を発案した人材育成や企業研修、コンサルティングなどを手掛けるスリール(東京都港区)が昨年1月から約1カ月間、インターネットで実施。回答した23~47歳の女性498人のうち、「職があり、子どもはいない」という39歳までの347人の回答をまとめ、分析した。
分析の結果、仕事と育児の両立に不安を感じている人は92.7%に上った。理由として「子育て中の先輩を見て、自分にはできないと絶望的な気持ちになった」「待機児童問題で保育所に預けられない」「夫の協力を得づらい」などが挙がった。
半数以上が「退職や転職、考えたことがある」
仕事に対する充実感やキャリアアップに関する質問では、8割以上が「充実している」と回答。6割以上が「求められれば管理職を経験してみたい」と考えており、仕事に前向きでありながらも両立に不安を抱える姿が浮かび上がった。両立不安から、退職や転職を考えたことがあるという人は、半数以上に上った。
「家事も育児も女性の仕事だと感じている」人は82.4%。仕事にも子育てにも時間をかける必要があると考え、「自分にできるのか」と不安に思っている人も多いことも分かった。
「不安でキャリア諦めるのは、会社にとっても損失」
同社代表の堀江敦子さんは「自ら心理的なハードルを上げ、不安を抱えてキャリアを諦めるのはもったいないし、会社にとっても損失。両立不安は個人の問題ではなく、社会問題として捉え、国や企業も解消に向け取り組む必要がある」と話した。
調査結果は「両立不安白書」としてまとめられており、同社ホームページから無料でダウンロードできる。
学生が”インターン”で「両立家庭」を体験
両立への不安を取り除き、子育てをしながらキャリアアップできる人材を育てようと、同社は学生が共働きの子育て家庭を訪れ、間近で両立について学ぶ「ワーク&ライフ・インターン事業」を2010年から実施している。これまでに関東地域の学生ら計約650人が参加した。
4カ月間にわたって週に1、2回、学生が2人1組で同じ家庭を訪れて実際に子どもを預かり、仕事を終えて帰宅した夫婦から両立の工夫を聞く。仕事も子育てもこなせるよう、スケジュールをやりくりするシミュレーションを体験するほか、仕事中に子どもが熱を出して迎えに行かなければいけないときに上司にどう伝えるか、どんなふうに仕事をフォローするかなども学ぶ。
参加した学生たちは2月末に東京都内で、経験を発表し合った。清泉女子大3年の諸墨彩花さん(21)=東京都町田市=は、もともとは「働きながら子どもを育てるスーパーウーマンのようになれるのか」と心配していたという。しかし、インターンシップに参加し、トラブルが発生したときの対処法を学んだり工夫しながら両立をする夫婦に接したりして「社会に出ることが楽しみになった。仕事を続けながら子どもも育てる意欲も湧いた」と語った。
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私は未婚女性ですが、もし結婚しても共働きをするつもりはありません。共働きをすれば収入は大きく、金銭面では余裕のある生活はできるでしょうが、精神的に余裕がなくなると思うからです。
せっかく子供を産んだのに、保育所に預けて正社員で働いて、何が楽しいのでしょうか。子供ともっと一緒にいてあげてほしいです。女性進出の時代とはいえ、女性に諦めも必要なのではないかとも思います。
時代に企業や行政が追いついていないのではと思います。給与を増やす、残業を減らすなど、企業と社会が行う対策が必要だと常々思っています。