バスの安全を守る整備士さんの作業場を探検!【都営交通×東京すくすく 夏休みわくわくこどもキャンペーン】

宮城工場長(左)に取材したこども記者たち
バスの中から洗車を体験
この日、案内してくれたのは宮城実工場長です。「みんなは、学校で毎年健康診断をするよね。それと同じように、都内に約1500台あるバスもここで車検という健康診断をしているんですよ」。簡単な修理ができる営業所は都内に19カ所ありますが、大規模な修理ができる工場はここだけなのだとか。毎日6台の車検をしています。
続いて、水素で走る燃料電池バスに乗り込みました。座席は青色をベースに白のドット柄のデザインで、なんだか近未来的な雰囲気が漂っています。燃料を補給する水素ステーションが設置されている品川区や江東区、江戸川区などで乗れるチャンスがあるそうです。
車内から、洗車機で洗う様子を見学しました。赤色と青色のあざやかなブラシが前方から迫ってきます。「わあ~」と窓に手を当て、うれしそうな様子のこども記者たち。水浸しになったバスは自然乾燥するそうで、小学3年生のこども記者は「さびたりしないんですか?」とすかさず質問していました。「塗装されているから、すぐにさびたりはしないよ」と運転していた樽本健一さん。すると、「塗装って何ですか」とまた質問していました。分からないと思ったことを堂々と聞く姿が頼もしかったです。

ブラシが洗車する様子を車内から見学する貴重な体験
ここで、運転する樽本さんが、特別にアクセルを全開で踏んでくれました。ギューンと急加速し、まるでジェットコースターに乗っているかのよう。普段の運行で、こんなにアクセルを踏むことはありません。水素を燃料に、モーターで動くバスはこんなに力強いんだということを体験させてくれました。
運転席にも座ることができ、ドアの開閉やバスを傾けるボタンを押しました。お客さんが乗りやすいように、状況に応じてバスを傾けることがあるそうです。バスに付いているミラーの数はなんと11個。運転手は安全のため、全てを確認します。小学1年生のこども記者は、運転席から降りた後「ありがとうございました」としっかりあいさつしていました。

運転席から11個ものミラーの数を確認した
バスの下から構造を確認
車検のスペースでは、整備のために車体を1.3メートルの高さまで上げられる様子をバスの中から体感。こども記者がヘルメットをかぶっていてもバスの下にすんなり入れる高さです。上がった車体の下に潜り、運転席でハンドルを動かすと部品がぐるぐると動いてタイヤに伝わる様子などを見学しました。

バスの「おなか」を観察するこども記者たち
整備する中で一番大切なポイントは、ブレーキだそうです。最高で時速60キロの速さで走るバスがブレーキを踏んでも止まらなかったら大事故になるからです。ブレーキがどのような仕組みでタイヤを止めているのか、実際に模型のブレーキペダルを踏んでみました。ペダルを踏むと、ブレーキ装置が圧縮空気でぎゅっと動いて止まる様子がよく分かりました。

ブレーキペダルも実際に踏んでみた
座席のシートを裁縫する部屋もありました。バスは15年ほど使うそうですが、その半分の7年目にリフレッシュ作業を行っていて、その際に古くなったシートを張り替えることもあるそうです。シート生地を裁断し、座席の形に仕立てる作業も整備士さんが担います。シートの工場で自動生産されているのだろうと思っていたので、手作業とは驚きました。整備士さんたちは、座席シート作りの切れ端でペンケースを作り、こども記者たちにプレゼントしてくれました。

バスの座席の生地で作られたペンケース
「バスが古くなったらどうなるの?」と、こども記者から質問が飛び出します。「バスの程度にもよりますが、まだ使える場合は、地方のバス会社に売ることもあるし、使えそうにない場合はそのままスクラップになることもあります」と宮城さん。とってもいい質問ですね。
見つけたニュースを新聞に
最後は、取材した成果を低学年は絵日記に、高学年は壁新聞にまとめます。たくさんの情報を取材したこども記者たちは、何をテーマに書くかじっくりと考え、思い思いの見出しを書いていました。バスのミラーが11個もあり、全てをチェックしていることに驚いたという小学2年生の成瀬しほこさんは、「バスのミラーはいくつある?」をタイトルに。「そんなにたくさんを同時に見られるのがすごいと思った」と感想を話してくれました。
洗車をする時、新型の洗車機ではこれまでの2分の1しか水を使わないことがニュースだと感じた小学5年生の内藤倫太郎さんは、「都バスタイム(お風呂)」とユニークな見出しを取っていました。都バスが大好きで、毎年新車が登場するのを楽しみにしているといい、「(燃料電池バスを)ぶっとばしてくれたのが楽しかったです」と満足そうでした。

記者のアドバイスを受けながら紙面構成を考える
取材のアドバイスを終えて
バス1台の安全を守るために、いくつもの工程があることを目の当たりにしたこども記者たち。付き添いの保護者とともにメモを取る手が止まらないくらい、たくさんの新情報に触れました。そこから一つ、ニュースだ!と感じたことを選ぶのは難しかったと思います。それでも、それぞれが異なる視点で作品を仕上げていて、みずみずしい感性に触れることができました。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい










