産後うつは誰でもなりえる 「眠れない」「泣けてくる」 専門家がまとめたチェック表 気になったら相談を

夫婦ともに疲弊していた
30ミリリットルのミルクを1時間かけて飲ませ、30分だっこ。一段落したら次の授乳-。昨夏、長女を出産した名古屋市内の女性(38)は、出産後すぐに眠れず食べられなくなり「切羽詰まっていた」と振り返る。夫(41)も育休中だったが、双方が疲弊していた。
出産や育児関連イベントの参加者対象のLINE(ライン)のオープンチャットで相談、助産師とつながり、長女は保健師の助言も得て入院した。退院後は訪問看護を利用。女性は妊娠前からうつ病だったが、出産後の悪化は感じていない。「助産師につながれたのが大きい。そうでなければ詰んでいた」と話す。
産後うつを研究する愛知医科大の山本弘江准教授(母性看護学)は「産後のうつ病は誰でもなり得る。自然にはよくならない」と指摘。「放っておいたら死んでしまうかもしれない病気だと危機感を持たなければ」と警鐘を鳴らす。
山本さんの研究では、女性の場合は出産1~4カ月後に発症しやすい。通常は時間がたつにつれ気持ちが上向くが、下がってしまうケースがそれに当たる。男性はより遅い時期に気持ちが下がるという結果になった。
助けを求める先は3つ以上
では、どのように気づけるか。食事ができなかったり眠れなかったりといった症状があれば、メンタルが不安定になっている可能性が高い。喜びの喪失などにも注意が必要だ。
うつ状態になると誰も助けてくれないと思いがち。「家族も、おかしいなと思ったらすぐ専門家に相談して」と助言する。第三者が状況を把握し、介入するのが回復の糸口だという。
相談先としてはまず、産院の助産師を挙げる。出産や産後うつの知識があるためだ。訪問主体の助産師や産後1カ月時の訪問員、自治体の保健師も。産後ケアサービス利用や子育て支援NPOへの相談も考える。「助けを求める先が3つ以上あるといい」。配偶者や親以外に、身内でない人も候補に入れるよう勧める。
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